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就活ブッダのブログ~涅槃を目指して~

就活の本質がわからぬまま迷走して無い内定...そんな就活からの解脱を目指して

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トイレタリー業界大手の違いを比較(花王・資生堂・ユニ・チャーム・ライオン。P&Gも少し)

企業研究 企業研究-メーカー

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f:id:job-hunting-buddha:20170129211942p:plainみなさん、こんにちは。

ブッダです。

 

今回はトイレタリー業界の記事。以前からリクエストを頂いており、書かねばと思いつつも先延ばしになっていたが、ようやく着手出来た。日系企業はどこも海外展開に力を入れており、日本らしい強みを活かして世界で戦っているから、筆者としては今回調べてみて好感を抱いた。グローバルという軸で就活をしてる人にはおすすめである。

 

今回のトピック

  • 業界地図
  • 売上や利益などの比較
  • 大手各社について
  • 年収・採用人数・残業時間など

 

業界地図

業界地図2017を参考に、業界の全体像を紹介する。

 

【日系大手】

花王

ユニ・チャーム

ライオン

 

【外資系】

P&G

ユニリーバ

ロレアル

 

【ヘアケア、ボディケアがメイン】

資生堂

マンダム

コーセー

ホーユー

クラシエ

 

メジャーな企業はこんな感じ。あとはオーラルケアが強いサンスター、殺虫剤が強いアース製薬、消臭芳香剤が強い小林製薬やエステーなどもトイレタリー業界に分類される。

 

Wikipediaによるとトイレタリーに含まれる商品群は以下の通り。

  • ボディケア(石鹸・ボディソープ・ハンドソープなど)
  • スキンケア(リップクリーム・ハンドクリーム・日焼け止めクリーム・制汗剤など)
  • シェービング(剃刀・むだ毛処理剃刀・シェービングフォームなど)
  • ヘアケア(シャンプー・コンディショナー・ヘアスプレー・育毛剤など)
  • ヘアカラー
  • フェイスケア(洗顔フォーム・メイク落とし・クレンジングオイル・あぶらとり紙など)
  • 入浴剤

 

自分が関わりたい製品があるならそれを軸に企業選びをするべきだし、ざっくりトイレタリーというなら、何らかの軸を用意して「なぜ御社か」を言えるようにしておこう。

 

売上や利益などの比較

まずは売上高、純利益、売上高営業利益率のグラフを見てみよう。

 

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※花王は2012年から決算時期を変更したため、2011年のデータは載せてない。資生堂、ユニ・チャームは2014年まで3月期決算、15年は12月決算として計算した値。

 

規模が圧倒的に大きいのは花王である。また、ユニ・チャームの近年の躍進が目立つ。これは後述するが、積極的に海外展開に力を入れているためだ。ライオン、資生堂は営業利益率で劣る。

 

P&G、ユニリーバはどのくらい?

外資系企業は決算データを公表していない。だから本当の数字はわからないが、以下の記事によるとP&Gジャパンの売上は3700億円くらいらしい。

P&Gで人事に大ナタ、問われる日本の存在感 | 週刊東洋経済(ビジネス) | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

B to Bの事業もやってたり、海外の売上がある花王やライオンと比べて、日本だけのP&Gは規模的にはこんなものだろうか。また、以下の記事では2500億円とある。

P&G日本法人の売上高比率はわずか3% - 帝国データバンク&経済産業省の「外資系企業動向調査」を読み解く - グローバル経営の極北

 

両方の記事で共通して述べられているのは、P&Gのアジア拠点はシンガポールに移っているとのこと。日系のメーカーが強いし、身近な消費財の品質に対するこだわりが世界最強の日本市場では圧倒的強さを発揮できていないようだ(P&Gかユニリーバの説明会で、「日本市場は難しいので、本社から外人が修行に派遣される」みたいなことを聞いた気がする)。

 

とはいえ、世界全体で見ればP&Gは8兆円、ユニリーバは5兆円レベルの企業なので、花王ですら大きく差を付けられている。なお、ユニリーバジャパンの売上高は調べたがデータが出てこなかった。

 

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売上高販管費率と海外比率

日本製のおむつや化粧品が海外でバカ売れ、中国人が旅行の際に爆買いという話は誰でも知っていると思うが、改めてデータで見てみよう(各社2015年度決算より抜粋)。

 

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海外展開で特に強いのは資生堂とユニ・チャームである。後述するが、ユニ・チャームおむつや生理用品は海外で高い評価を受けている。資生堂も頑張っているが、中国でトラブルがあって現在立て直し中だ。

 

次に、販管費とは何だろうか?本題からは外れるが、せっかくなので軽く勉強しておこう。販管費とは正式には「販売費および一般管理費」と呼ばれる。販売費は広告費や在庫の費用であり、一般管理費は給料やビルのテナント料といった経費である。

 

営業利益とは、売上高から原価と販管費を引いた値である。つまり、トイレタリー業界の場合ザックリ言うと、洗剤の売上から薬品やボトルの原価を引き、さらに広告費や人件費を引いた分が儲けになるというイメージだ。そしてこの販管費の比率が売り上げに対して非常に高いのである。

 

これは消費財の場合、広告に莫大な金額を使う必要があるからだ。ニッチなB to Bメーカーなら製品の優位性を武器に圧倒的な市場シェアを誇り、高い利益率に設定できる。しかし、身近な消費財の場合、そこまで圧倒的な差をつけることは難しいし、客の多くは商品を選択する際にそこまで気を使わない。したがって、テレビCMをはじめとして多くの広告を打ち、消費者の頭に自社の製品を刷り込んでいかなくてはならない。

 

資生堂の販管費は売上高に対して約70%であるが、内訳は25%がマーケティングコスト、25%が人件費となっている。化粧品もテレビCMはもちろん、雑誌の中やら町中の看板やらあちこちで広告を見るが、納得のデータである。さらに資生堂の場合店頭で接客する販売員を多く抱えるため人件費も高いと考えられる。比較対象として適当にB to Bメーカーであるデンソーをピックアップして販管費率を調べたところ、10%以下であった(逆に原価率は約80%)。こうして自分で数字を見てみると面白い。

 

www.syukatsu-buddha.com

 

大手各社について

花王:圧倒的国内トップだがやや海外が弱い

花王のセグメントは以下の通り。

 

【ビューティケア】

化粧品、スキンケア・ヘアケア

 

【ヒューマンヘルスケア】

飲料、サニタリー製品、パーソナルヘルス製品

 

【ファブリック&ホームケア】

衣料用洗剤、洗濯仕上げ剤、キッチン・バス・トイレ・リビングケア製品

 

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※画像はアニュアルレポート2015より抜粋。

 

【ケミカル事業】

油脂、機能材料、スペシャルティケミカルズ製品といった産業向けの化学薬品を提供。

 

2015年度のアニュアルレポートから以下の図を紹介する。

 

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ここ数年で海外比率を高めることに成功したが、利益貢献という点ではまだ22%に留まる。事業構成はよりバランスが良くなった。事業の中で課題なのは、日本の化粧品ビジネスと健康機能飲料である。花王ソフィーナ、カネボウ化粧品が苦戦している模様。

 

2016年12月に新たな中期経営計画「K20」が発表された。主な内容は以下の通り。

 

【2030年までに達成したい姿】

  • 特長ある企業イメージ
  • 売上高 2.5 兆円(うち、海外 1 兆円)・営業利益率 17%・ROE(自己資本当期純利益率)20%を超える、高収益グローバル消費財企業
  • ステークホルダーへの高レベル還元

 

【上記目標を達成するためにK20で目指すこと】

  • 特長ある企業イメージの醸成へのこだわり:生活者の気持ちにそっと寄り添える企業でありたい
  • 「利益ある成長」へのこだわり:過去最高益更新の継続、おむつのメリーズ、洗剤のアタック、スキンケアのビオレを売上1000億円以上のブランドへ

 

資生堂:再浮上への準備を進め中

アニュアルレポート2015でCEO自ら「以前はブランド価値や市場でのシェアが落ちていた」、「2015~17年は事業基盤の再構築を進める期間」と言っている。そして目下の課題として以下の3点を挙げている。

  • 日本でブランドを持続的に成長させること
  • 海外での収益性改善
  • 中国事業の再編

 

立て直し期間を終えた2018年以降は、売上1兆円、営業利益1000億円以上まで拡大を目指すようだ。

 

【日本での事業】

2015年12月期の日本事業の店頭売上成長率は、市場成長率8%を上回る16%増となった。中高価格帯ブランドが好調な一方、低価格帯ブランドが課題である。「SHISEIDO」、「クレ・ド・ポー・ボーテ」といった高級ブランド、「エリクシール」、「マキアージュ」といった中価格帯ブランドが好調な一方、「アクアレーベル」、「インテグレート」といった低価格のコスメティクス領域でシェアが減少している。

 

訪日外国人の増加によりインバウンド需要が増加しており、デパート、免税店、機内販売に力を入れていく模様。ただ、今後は国単位ではなく、アジアを1つの市場と捉え、ボーダーレスなマーケティング戦略を確立する必要があるとのこと。

 

【海外での収益性改善】

セグメント別売上高、営業利益率のグラフを見てみよう。

 

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セグメントは製品でなく、地域で分けられている。確かに海外事業の比率は高いものの、利益は出せていない。

 

【中国事業の再編】

資生堂の魚谷CEOはコカ・コーラ出身で、2014年に就任してすぐに、低迷していた中国事業の改革を行ってきた。しかし、その過程で現場とのすり合わせが上手くいかず営業部員の離反を招き、商品が補充されないとか、必要な機材が揃わないといったトラブルが発生した。

 

また、現地工場で生産している主力のブランドの売れ行きが悪いようだ。中国人は日本製の商品を買いたいのであり、日本発の中国製は求めていないとのこと。メインの販売チャネルである百貨店もEC(eコマースともいう。要するにネット通販)に押されて、中国全体で閉店が続く。

 

参考:資生堂、再建中の中国事業でまさかの誤算 | 専門店・ブランド・消費財 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

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中国のEC市場

こちらのサイトによると、中国のEC市場はもうすぐ100兆円、数年後には200兆円に拡大する見込み。また、小売市場におけるEC比率も現在の約20%から数年後には30%まで増えるそうだ。

 

ソフトバンクの孫正義が投資して莫大なリターンを得たアリババは有名だろう。このアリババが運営する「Tmall(天猫)」がシェアトップの60%、京東集団が運営する「JD. com(京東商城)」が20%で続く。

 

参考:本格的な越境EC元年 200兆円規模になる中国EC市場の今|株式会社いつも.公式ブログ

 

資生堂は中国ECの販売が好調だが、他社も同様である。海外の事業者から購入する“越境EC”も拡大しており、各社ECに力を入れていくのは確実である

 

ユニ・チャーム:アジアNo. 1

以下のグラフを見てもらえばわかるが、ユニ・チャームはガンガン海外に進出して規模を拡大してきた。中でもアジアで非常に強く、ベビーケア・ヘルスケア・フェミニンケアの分野でアジア1位とのこと。こちらも2018年に売上1兆円を目指している。

 

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ユニ・チャームのセグメントは以下の通り。

 

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※統合レポート2016より抜粋

 

赤ちゃん用、女性用、高齢者用のおむつが主力商品で、加えてウェットティッシュ、マスク、ペットフードやペット用排泄ケア商品を扱っている。

 

【海外展開へのこだわり】

レポート内で海外展開で成功してきたノウハウについて多く紹介しており、自信を持っているようだ。

 

海外展開の成功=良い商品×強い営業×巧みなマーケティング

 

という公式を掲げており、どの国でも再現できるように勝ちパターンを分析しているようだ。また、現地に合わせて、基本機能は維持しつつも客が必要としない部分は徹底的に削ぎ落とすことで品質とコストを両立した中間所得層向けの商品を開発している。

 

重点市場は、中国、インド、タイ、インドネシアなど。途上国ではそもそもベビー用紙おむつや生理用品の使用率が低いため、商品そのものと同時にそれらの認知度を上げていく必要がある。また、意外なことにアジアの途上国では今後急速に高齢化が進む。と言っても、少子高齢化ではなく、医療や衛生環境の改善により高齢者の死亡数が減るということだ。したがって、彼ら向けのおむつの普及も重要なポイントだ。

 

ライオン:国内は質的成長、海外は量的成長

ライオンのセグメントは以下の通り。

  • 一般消費財:詳細は以下の図を見て欲しい
  • 産業用品:化学品や業務用洗剤
  • 海外事業:アジアで日用品を販売

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出典:アニュアルレポート2015

 

製品群は花王と似ているが、オーラルケアから薬品、ペット用品まで幅広い。

 

中期経営計画では以下の4つの戦略を掲げている。

  • 国内事業の質的成長
  • 海外事業の量的成長
  • 新しいビジネス価値の開発
  • 組織学習能力の向上

 

この記事の初めに紹介したグラフを見てもらえばわかるが、売上、利益、利益率全てにおいて他社に負けている。成熟した国内市場で大きくシェアを拡大するのは難しいが、より高付加価値で利益率の高い製品を売ることで利益を拡大することは出来る。実際、オーラルケアや台所用洗剤などの分野で高価格帯商品の売上が伸びており、近年利益率が向上していることがわかる。

 

海外事業はまだまだ市場が未開拓で、十分入り込む余地がある。他社と同様力を入れて拡大を狙う。2020年の目標としては、売上高5000億円、営業利益500億円を掲げている。

 

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啓発投資という概念について

今回、ライオンやユニ・チャームのアニュアルレポートを読む中で、興味深いマーケティングの事例を見つけたので紹介しておこう。啓発投資という考え方だ。手を洗うという概念が無い人に「我が社の石鹸はこんなに高機能」と言っても無駄である。まずは手を洗うことの意義を理解してもらわないと自社の製品を買ってもらえない。

 

例えばライオンは「予防歯科」という考え方の普及に努めている。行政・学校・病院と連携したり、ポスターやCMを出すことで、2014年からの一年間で予防歯科という言葉の認知率、理解率を81%→88%、52%→61%と引き上げることが出来た。歯磨きなんて当たり前の日本ですらこれだけ効果が出たのだから、衛生観念がまだまだ不十分なアジアの途上国にはもっと大きな余地がある。

 

ユニ・チャームは生理のメカニズムや生理用品に対する正しい知識を伝える「初潮教育」に力を入れている。普通にCMを打つだけでなく、こういったマーケティングのやり方があると知っておくといい。

 

年収・採用人数・残業時間など

2015年度の有価証券報告書から平均年収を、就職四季報2018から採用人数を、Vorkersから残業時間を紹介する。

 

  • 花王:811万円・33.3h
  • 資生堂:734万円・37.0h
  • ユニ・チャーム:864万円・57.5h
  • ライオン:706万円・36.4h

 

採用人数については17年入社組のデータで、文・理の順。

 

【花王】

大卒男:15・2

大卒女:17・3

修士男:1・76

修士女:2・30

計146人

 

【資生堂】

大卒男:27・0

大卒女:36・5

修士男:3・28

修士女:5・25

計129人

 

【ユニ・チャーム】

大卒男:21・8

大卒女:7・5

修士男:0・9

修士女:0・6

計56人

 

【ライオン】

大卒男:28・2

大卒女:17・3

修士男:0・18

修士女:0・11

計79人

 

最後に

長くなったので要点をまとめておこう。

  • 花王は国内圧倒的トップもやや海外事業が弱い
  • 資生堂は経営を立て直し中で、巻き返しを狙う
  • ユニ・チャームは海外展開が非常に強く、アジアでシェアNo. 1を誇る
  • ライオンは規模、利益率で他社に劣るが、高付加価値商品と海外展開に力を入れる
  • 販管費とは広告費や人件費などを合わせた経費で、B to Cメーカーは宣伝費用がかかる
  • 中国のEC市場は100兆円規模で、200兆円まで拡大する見込み
  • 商品そのものの宣伝と同時に、衛生観念の普及を図る啓発投資も重要

 

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