読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

就活ブッダのブログ~涅槃を目指して~

就活の本質がわからぬまま迷走して無い内定...そんな就活からの解脱を目指して

MENU

3メガ損保の業界研究。東京海上・MS&AD・SOMPOの違いを比較

【スポンサーリンク】

f:id:job-hunting-buddha:20170127224838p:plain

みなさん、こんにちは。

ブッダです。

 

今回は就活生に根強い人気の損保大手3社についての業界研究。実際、TwitterのTLでは18卒たちが「マリン、マリン」と連呼してたし、キャリタスの17卒就職希望企業ランキングでも3社ともトップ10に入ってる。

 

生保もそうだが、保険というのは生きていく中でずっと関わりがあるものなので、この機にしっかり勉強しておくといい。自分で考える努力を怠って無駄金を払わされる情弱になってはいけない。

生保のビジネスモデルは詰んでいる?生命保険の仕組みを解説

生保業界大手(かんぽ生命・日本生命・第一生命・明治安田生命・住友生命)の違いを比較

 

ということで、今回は保険の基本から各社の展望まで盛り沢山の内容だ。

 

今回のトピック

  • 損保の仕組み
  • 3メガ体制の損保業界
  • 今後の展望
  • 各社の年収・残業・採用について

 

損保の仕組み

生保も損保も、皆で助け合って万が一の事態に備える

保険の大まかな仕組みはこれだけで、一家の大黒柱の父親が急死する、あるいは車で事故って大損害を出したなどの万が一の事態に備えるため、皆で少しずつお金を出し合い、実際にそういった事態が起こったら困ってる人にお金を渡す。それを取り仕切るのが保険会社の仕事で、預かった保険料から実際に払った保険金の差額が儲けとなる。また、預かった金は頻繁に出入りする訳じゃなく、単に貯めておいても勿体ないので資産運用に回す。その儲けも保険会社の重要な収入源だ。

 

生保と損保の違いとは

これまたザックリ言うと、

  • 生保は人の生死に対する保険
  • 損保はあらゆるリスクに対する保険

という認識だ。もう少し詳しく言うと、

  • 生保は「定額払いの保障」
  • 損保は「実損払いの補償」

と説明される。

 

生保では人の生死に関する問題を扱うから、損失に対して「それは~円に相当します」なんて言えない(パパが死んだとして、貰えるはずだった給料は計算できたとしても、パパの価値はそれだけじゃないでしょう?)。だから、生命保険は予めいくら払うか決める定額払いのスタイルだ。

 

一方、損保では金で計算できるリスクを扱い、実際に発生した損失を計算して補てんする。例えば自動車事故なら、「20代の新米ドライバーが事故る確率と発生する損失の期待値」は計算できるし、実際に事故った場合の修理費、ケガさせた人や壊した物に対する賠償は金の問題だから定量的に扱える訳で、当然その分だけ保険金を払う(事故を起こした人が儲かることになったら変だ)。

参考にしたページ:それぞれの特徴を考える!生命保険と損害保険の違い | びーいんぐす

 

第三分野の保険

保険は以下のように分類されている

  • 第一分野(生命保険):生命保険会社のみで取り扱い可能
  • 第二分野(損害保険):損害保険会社のみで取り扱い可能
  • 第三分野:生保も損保も取り扱い可能

 

第一、第二はこれまでの説明でわかってもらえたはず。そしてこれらを同じ会社で扱うことは出来ないので、損保会社はグループ内の別企業で生保を扱っている(逆に、生保が損保を扱うことはほとんど無い。詳しくは以下のページを見て欲しい)。

それぞれの特徴を考える!生命保険と損害保険の違い | びーいんぐす

 

で、第三分野は何かというと、医療保険やがん保険のような第一と第二の中間に位置する保険だ。例えば「入院したら一日10000円お支払い」という医療保険は、人の生死に関係しているとはいえ、リスクも損失も金で扱える範囲に限定されている。

 

損害保険の種類

損保はあらゆるリスクに対する保険だと言ってきたが、実際に扱ってるメジャーな種類の保険は以下の通り。

 

f:id:job-hunting-buddha:20170127225546p:plain

 (出典:MS&AD統合レポート2016)

 

損保の起源は航海のリスク軽減であり、その後火事に対する保険が生まれた(海上だの火災といった社名の由来はここ)。だが、戦後のモータリゼーションにより、自賠責保険まで含めれば自動車関連が60%を占めるまでになった

 

詳細は後述するが、時代が変われば求められる保険も変わる。今後科学技術の発展により、自動運転、IoTの普及など我々の暮らす社会が激変する可能性があり、損保各社もそれに対応すべく策を講じている。

 

【スポンサーリンク】
 

 

3メガ体制の損保業界

損保業界は銀行と似た感じで、メガ3社に集約されている。大手でも5社存在し、さらに多数の中堅がひしめく生保業界とは大きく異なる。メガ3社とは

  • MS&ADホールディングス
  • 東京海上ホールディングス
  • SOMPOホールディングス

である。

 

各社の経常収益と純利益は以下の通り。

 

f:id:job-hunting-buddha:20170127225728p:plain

f:id:job-hunting-buddha:20170127225739p:plain

 

規模としてはMS&ADの方が大きいが、利益を出しているのは東京海上の方。3社とも2011年の利益がガクンと落ちているが、これは東日本大震災やタイの大洪水があったためだ。こういった自然災害は損保会社の業績に影響を与えるようで、各社の決算報告でも度々言及されている。

 

MS&ADホールディングスについて

MS&ADは、三井住友海上、あいおい損保、ニッセイ同和損保が集結して出来た。聞きなれない社名は各社の頭文字に由来している。

 

MS&ADの主要な組織構成は以下の通り。

 

【三井住友海上】

グループの中核を担う事業会社で、幅広く損保を扱う

 

【あいおいニッセイ同和損保】

トヨタ、日本生命とパートナー関係にあり、地域密着型の営業を展開する

 

【三井ダイレクト損保】

個人向け自動車保険を、ネットや電話で扱うダイレクト型通信販売を専門とする

 

【三井住友海上あいおい生命】

保障性商品(収入補償保険、医療保険など)を扱う

 

【三井住友海上プライマリー生命】

個人年金や終身保険を中心とした資産形成型商品を扱う

 

次に、セグメント別グループコア利益の構成比は以下の通り(グループコア利益とは、純利益から株式キャピタル損益や特殊要因を控除したもの)

 

f:id:job-hunting-buddha:20170127225847p:plain

(出典:MS&AD統合レポート2016)

 

主力はもちろん国内損保だが、後述するように海外進出に力を入れており、2015年にイギリスのAmlin社を買収した。社長曰く、今後利益における海外比率5割を目指せる段階に近づいたそうだ。

 

東京海上ホールディングスについて

東京海上ホールディングスは、1879年に誕生した日本初の損保会社である東京海上日動が中核で、実は三菱系列である。

 

【東京海上日動】

あらゆる商品をそろえた中核の会社

 

【日新火災】

個人と小規模法人を対象に、シンプルでわかりやすい商品を地域密着で提供する

 

【イーデザイン損保】

ダイレクト型自動車保険を提供する

 

【あんしん生命】

死亡保険から医療保険まで扱う

 

2016年度の予想ではあるが、統合レポート2016から事業別利益構成比を紹介する。

 

f:id:job-hunting-buddha:20170127230009p:plain

 

東京海上は海外進出で他社をリードしている。2015年にアメリカのHCCという高い専門性を持つ会社を9000億円以上かけて買収した。伊藤忠が中国の国営企業に6000億出資したのが話題になったことをご存じだろうから、9000億という額の凄さがわかるはず。

東京海上、9400億円で米保険を買収 海外事業を強化 :日本経済新聞

 

SOMPOホールディングスについて

損保ジャパンと日本興亜損保が2010年にくっ付いてNKSJホールディングスが誕生。2014年に損保ジャパン日本興亜ホールディングスへと社名を変更したが、長すぎて困るという声が上がり(年末調整で保険料控除のWEB申請をする際にエラーが出たのだとか)、2016年10月にSOMPOホールディングスとなった。

 

余談だが、日本とジャパンが両方入ってるのはおかしいとか、日本損害保険協会が既にSONPOというロゴを使ってるとか、社名については色々揉めたようだ。

 

SOMPOホールディングスの主要な組織構成は以下の通り。

 

【損害保険ジャパン日本興亜】

損保を幅広く扱う中核の会社

 

【セゾン自動車火災保険】

40・50代向けの通販型自動車保険が主力。火災保険もやってる

 

【そんぽ24】

媒介代理店を強みとする通販型自動車保険が主力

 

【損保ジャパン日本興亜ひまわり生命】

死亡保険から医療保険まで扱う

 

【SOMPOケアネクスト】

ワタミの介護株式会社を買収して出来た会社で、老人ホームを運営している。他にもSOMPOケアメッセージという介護事業の会社もある

 

介護事業は参入したばかりで、本格的な利益貢献はまだ先の話だが、他の2社と違うSOMPO独特の取り組みだ。SOMPOの事業別利益構成比は以下の通り。

 

f:id:job-hunting-buddha:20170127230200p:plain

 

海外事業の構成比50%を目指す他社と比べると、やや劣るのが特徴

 

【スポンサーリンク】
 

 

今後の展望

筆者が3社のレポートを読んだ中で感じた、共通の課題と展望は以下の通り。

  • 新時代への適応
  • 海外事業の強化
  • 国内市場での生き残り

 

新時代への適応

MS&ADの統合レポートに興味深い図があったので紹介しよう。

 

f:id:job-hunting-buddha:20170127230250p:plain

 

時代を経るにつれて、社会に求められる損保が変わってきたことがわかる。現時点では自動車保険が損保の大半を占めるが、自動車と言えば?…そう、最近は自動運転やカーシェアリングが話題である。当然、自動運転が普及すれば事故率や賠償のルールが変わるので新たな保険が必要であるし、カーシェアリングにも適した保険が求められる

 

他にも、IoTの発展が損保にも変革を起こしつつある。ITを金融に取り入れたフィンテックがブームであるが、こうした変革の保険版はインステックと呼ばれている。例えば、損保ジャパン日本興亜は、歩数や睡眠時間を計測できるウェアラブル端末を開発し、個々人の健康状態に応じて最適化した保険料を決めるサービスを開発中だ。

SFのような世界を現実にするIoTとは何か?イオットと読んでる人はサヨウナラ

 

また、MS&ADは統合レポートの中で、シンギュラリティやインダストリー4.0といったトレンドワードを盛り込んでこういった話題に言及している。MS&AD的には、究極的に顧客サービスには“オーダーメイド”と“リアルタイム”が重要だと考えているようだ。AIが得意なのは過去のデータを貯めこんでそこから判断することであり、新しいサービスはやはり保険会社が作っていく必要がある。顧客の要望を聞き、豊富なデータから新たなリスクに対応した保険を提供することが重要だと考えているようだ。

 

損保各社の面接でどこまでこういった話が出るのか筆者は知らない。ただ、「ITなんか関係ねえ」と思ってスルーしてるのはよくないと思う。実際に3社とも株主向けのレポートでしっかり言及してる訳だから、非常に重要なポイントなのである。損保のみならず生保志望者もしっかり勉強しておくべきだ。

 

という訳で、せっかくだから自動運転についてもう少し説明しておこう。実は自動運転と一言に言ってもレベルがあり、定義が定められている。現時点で販売されているのはレベル1に過ぎず、人間が寝てる間に勝手に目的地まで行ってくれる自動運転は最高のレベル4に該当し、実用化はまだまだ遠い。

What's AUTONOMOUS DRIVE?自動運転の今と未来|日産

 

少し考えればわかることだが、人間が自動運転に頼るようになれば運転スキルは低下していく。万が一システムが壊れたときは自動運転から手動に切り替える必要があるが、自動運転に頼ってヘタクソになったドライバーが急に対応出来るだろうか?工学系の技術者は、この「万が一」を絶対に防ごうと心血を注いでおり、安全に関する学問分野もある。だから、昨今の安易な自動運転ブームの中には、実は薄っぺらい主張や報道もあり、自動車に詳しい人は懐疑的な視点を持ってることを頭に入れておこう。

 

まあ、つい先日テスラのイーロン・マスクCEOが「完全自動運転は半年以内に実現する」とツイートしたらしいが、本当かいな…

完全自動運転カーの登場は「6カ月以内」とテスラのイーロン・マスクCEOがツイート - GIGAZINE

 

海外事業の強化

これはセグメントの説明をした中で何度も触れてきたからもうわかってるはず。日本国内は人口減少で市場の拡大が見込めないから、海外への進出は必須だ。どの程度グローバルな人材を採用したいのかは知らないけど、求められる人物像の軸の1つじゃないかと思う。だからグローバルという点を説明会で意識して話を聞いたり、逆質問のネタにするといい。

 

国内市場での生き残り

海外展開を強化しているとはいえ、メインは国内事業である。超高齢化社会となるであろう日本において、何とか生き残っていかねばならない。

 

上述の通り、SOMPOホールディングスは介護事業に乗り出した。SOMPOは「保険の先へ、挑む。」がブランドスローガンであり、目指す姿として「安心・安全・健康のテーマパーク」を掲げている。万が一の時だけでなく、普段から健康的な生活を支えるビジネスを目指しているようだ。

 

こういった考え方は、東京海上の「事前・事後のあんしん」というコンセプトにも通じるものがある。代表的な取り組みとして、カメラ付きドライブレコーダーを使った自動車事故削減コンサルティングがある。要は、リスクを扱うプロで豊富なノウハウを持つ損保が、そもそも事故が起こらないようにするサービスをやってもいいよねって話。

 

市場のパイが縮小する中で、こういった新たな領域にサービスを見出していかねばならないのは各社共通の課題だ。なお、損保は生保も扱っており、生損保一体のビジネスに力を入れている。トータルで人生に安心を提供できるような商品を開発し、損保の代理店でセットにして売ることでシェアを拡大する訳だ(クロスセルという)。こういった話ではマーケティングの視点があると理解が深まる。上述のITの話と合わせて、幅広く好奇心を持って日頃から情報収集に励むことを推奨する。

超オススメできるマーケティングの本について書評や解説を書く【図解 実戦マーケティング戦略】

 

【スポンサーリンク】
 

 

各社の年収・残業・採用について

就職四季報2018から17年入社組の採用数と年収を、Vorkersから残業時間を紹介する。

 

MS&AD
  • 三井住友海上:747万円・49.0h・638名
  • あいおいニッセイ同和損保:681万円・38.5h・530名
  • 三井ダイレクト損保:なし・20.0h・なし
  • 三井住友海上あいおい生命:なし・39.6h・100名
  • 三井住友海上プライマリー生命:なし・41.4h・7名※

※は16年のデータ。

 

東京海上
  • 東京海上日動:891万円・34.3h・G218名・A536名※
  • 日新火災:607万円・27.1h・49名
  • イーデザイン損保:なし
  • あんしん生命:なし・37.6h・34名

※Gはグローバルコース、Aはエリアコースの略。16年のデータ。

 

SOMPO
  • 損害保険ジャパン日本興亜:639万円・36.9h・893名
  • セゾン自動車火災保険:なし・11.5h・47名
  • そんぽ24 :なし
  • 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命:なし・36.0h・76名※
  • SOMPOケアネクスト:なし・35.3h・95名※

※は16年のデータ。

 

最後に

非常に長くなったので、ポイントをまとめておこう。

  • 損保はあらゆるリスクをカバーし、実損払いの補償である
  • 生保と損保の中間の第三分野に進出中
  • グループ内に生保の会社も持っている
  • 国内損保は大手3社に集約された
  • MS&ADは収益トップ
  • 東京海上は利益トップ
  • SOMPOは介護事業を始めた
  • 各社海外展開に力を入れており、MS&AD、東京海上は海外比率5割を目指す
  • 技術革新により社会のパラダイムが変われば求められる保険も変わる
  • 成熟した国内市場で生き残るために新たなビジネスモデルが必要

 

それではこの辺で失礼する。

 

あなたへのおすすめ記事

生保のビジネスモデルは詰んでいる?生命保険の仕組みを解説

生保業界大手(かんぽ生命・日本生命・第一生命・明治安田生命・住友生命)の違いを比較

就活生に大人気のメガバンク業界研究(MUFG・SMFG・MHFG/三菱東京UFJ・三井住友・みずほ)

5大商社の違いや強みをクイズ形式で比較(三菱商事・三井物産・住友商事・伊藤忠商事・丸紅)

総合デベロッパー大手5社の違いを比較(三井不動産・三菱地所・住友不動産・東急不動産・野村不動産)

「OB訪問ってした方がいいの?」とかいう愚問をしてる就活生って…【3社の違いはOB訪問で探れ】

記事一覧