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就活ブッダのブログ~涅槃を目指して~

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鉄鋼大手2社(新日鉄住金・JFE)の違いを比較。鉄鋼業界の説明もあり

企業研究 企業研究-メーカー

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みなさん、こんにちは。

ブッダです。

 

今回は鉄鋼大手2社(新日鉄住金・JFEホールディングス)を比較する。恐らく鉄鋼業界を受ける就活生は2社とも見るだろうから、説明会やOB訪問で色々掘り下げられるように様々な視点を提供することが本記事の目標だ。

 

今回のトピック

  • 鉄鋼業界についてザックリ説明
  • 新日鉄住金とJFEの歴史
  • グループ形態の違いについて
  • ビジネスに関する数字の比較
  • 年収・残業時間や採用人数について
  • 筆者が就活生にすすめる比較ポイント

 

鉄鋼業界についてザックリ説明

鉄鋼会社の分類

鉄鋼会社は大まかに以下の3つに分類される。

  • 高炉メーカー:鉄鉱石から鉄を作って製品にまで仕上げる
  • 特殊鋼専業メーカー:電気炉を使って鉄スクラップと色んな金属から特殊な高級鋼を作る
  • 電炉メーカー:電気炉により鉄スクラップから普通の鉄の製品を作る

 

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高炉を作るには莫大な金がかかるので、ここは限られた会社しかやっていない。なお、新日鉄住金は2017年3月をめどに日新製鋼を子会社化する予定である。これで、高炉を持つ一貫製鉄メーカーは新日鉄住金、JFEスチール、神戸製鋼所の3社に集約されることになる。

 

より詳しい鉄鋼業界の説明については、経産省が非常に詳しい資料を作っていたので、リンクを紹介しておく。この画像もここから拝借した。さすが官僚はスゴイ。

http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/kaseguchikara/pdf/010_s03_02_03_01.pdf

 

世界経済減速+中国のゾンビ企業のせいで苦しい鉄鋼業界

鉄は産業の米と言われており、あらゆる製品に使われていることは想像に難くないだろう。ということは、経済が好調でドンドン物を作ろうという状態ならば鉄の需要は増えるし、逆に不景気になって物を作らなくなれば鉄の需要も減る。

 

この記事を書いている2016年9月時点では世界経済はあまり調子が良くない。特にリーマンショック後アホみたいに成長して世界経済を引っ張ってきた中国が減速しているため、鉄の需要が減っている。さらに、そんな状況にも関わらず中国の鉄鋼メーカーが生産量を減らさないため、世界的な鉄余りとなっているのだ。

 

では、どうして中国の鉄鋼メーカーは生産量を減らさないのかというと、事業を縮小して失業者が出たら困るからだ。中国はこれまでバカみたいに鉄の需要があったので、工場をドンドン建てていた。その分、需要がなくなったときに不要になる工場および従業員も多い。しかし、そいつらをリストラしたら不満は政府(地方当局)の方に向けられる。それが嫌な地方当局は補助金を与えて、赤字でも事業を続けられるように“延命措置”を行っていたのだ。

 

資本主義経済においては、需要が無くなれば不要な設備の統廃合が進み、業界再編が起こるのが普通だ。しかし、中国だけが本来淘汰されるべき企業を延命させていては、市場がゆがめられ、他国にとってみれば公平な競争環境でなくなる。こういった補助金で生き延びている企業は“ゾンビ企業”と呼ばれており、国際的な議論のタネとなっているのだ。

 

世界の鉄鋼業界

ちょうど記事を書いている時に、中国で大手鉄鋼メーカー2社が統合するというニュースが入ってきた。少しは不要な設備の廃止が進むであろう。この2社の統合により、世界2位の規模になるそうだ。世界の鉄鋼メーカーランキングを紹介しておこう。

 

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(画像はこちらのサイトから拝借した)

 

この順位だけ見たら「1位のアルセロール・ミッタルって会社ヤベ―な」と思うかもしれないが、規模ばかり追求した結果、最近は大赤字で大変なことになっている。

 

新日鉄住金とJFEの歴史

新日鉄住金

新日鉄住金は、2012年に新日本製鐵が住友金属工業を吸収合併する形で誕生した。新日本製鐵が住友金属工業を吸収するという形だったので、社名に“住友”を残すことが出来ず、結果として住友金属工業は住友グループから抜けたというのは有名な話。

就活生に夢と希望を与える、三井・住友勝ち組財閥系特集

 

JFE

日本鋼管(NKK)と川崎製鉄が2002年に統合してJFEとなった。JFEのホームページによると、社名のJFEは日本(Japan)、鉄鋼(鉄の元素記号Fe)、エンジニアリング(Engineering)を組み合わせたものであり、また日本を代表する未来志向の企業グループ(Japan Future Enterprise)を意味するらしい。

 

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グループ形態の違いについて

業界研究をしていたら“ホールディングス”という言葉にたまに出会うだろう。これはグループの形態の1種である。以下の図を見てもらえばイメージがつかめるはずだ。

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もちろん企業経営の面で違いはあるのだが、就活生はそこまで意識する必要はないと思う。ただ、年収を調べるときは要注意である。ボスのホールディングスはグループの指揮のみに特化した会社なので、お偉いさんだけで構成されており、従業員は数十人、平均年収はバカ高い額となっている。したがって、何の参考にもならないのだ。

 

ビジネスに関する数字の比較

まずは過去3年の売上高と純利益を見てみよう。

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上述のように、世界経済が減速したため、2社とも売上・純利益が落ちている。

 

セグメント比較とグループ会社の紹介

次に、セグメント別売上高を見てみよう。

 

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まず、両グループともにエンジニアリング会社を持っている。JFEエンジの方が新日鉄住金エンジより1000億円ほど売り上げが大きい。鉄鋼メーカーを見てる人はプラントエンジニアリング業界にも興味ある人が多いのだろうか?プラントエンジについての記事もあるから見て欲しい。いつか新日鉄住金エンジとJFEエンジの比較記事も書こう…いつか(笑)。

【2017年1月21日追記】 

ついに書きました。以下の記事になります。

新日鉄住金エンジとJFEエンジの違いを比較

 

次に、JFEでは商事が大きなウエイトを占めるが、新日鉄住金にはない。一方、新日鉄住金にはシステム屋の新日鉄住金ソリューションズ、化学メーカーの新日鉄住金化学、先端材料メーカーの新日鉄住金マテリアルズと多彩なグループ企業が揃っている。

 

グループ全体の力については、後ほど比較ポイントのところで詳しく説明しよう。

 

年収・残業時間や採用人数について

新日鉄住金

こちらは2015年度の有価証券報告書より、平均年齢・勤続年数・年収の順に

38.7歳・16.9年・625万円

であった。

 

また、Vorkersより、月平均残業時間と会社の総合評価ポイントはそれぞれ63.5時間・3.55点であった。

 

年収の額だけ見たら安いが、これは工場の労働者まで含めた数字である。総合職はもっと高い。また、年収の額面だけでわからない充実した福利厚生が整っているようだ。福利厚生の意味については、こちらの記事で解説している

借り上げ社宅が住宅手当よりお得である理由がわかる?

 

採用人数については、新日鉄住金が発表した資料より以下の通り。

  • 2017年度計画 事務110名・技術230名
  • 2016年度 事務117名・技術233名

2016年3月1日に発表とあるので、17卒の採用計画と入社予定の16卒の人数だと思う。

 

JFEスチール

Vorkersより、月平均残業時間49.9時間・総合評価ポイント2.92点であった。

 

ここは親玉のJFEホールディングスが有価証券報告書を出しているので、そこで公表されている平均年収などは全てホールディングスの値であり、何の参考にもならない。したがってVorkersの口コミをピックアップすることで代用させてもらう。

 

口コミを総合すると

  • 基本給は低めで、残業で稼ぐ人が多い
  • ボーナスは業績に連動する
  • 大卒なら30後半には1000万円にいける
  • 他のメーカーと比べればいい方
  • 借り上げ社宅が充実

といった感じであった。

 

採用人数については、JFEスチール新卒採用サイトに以下のように書いてあった。

2010年度実績 事務系30名、技術系106名

2011年度実績 事務系38名、技術系105名

2012年度実績 事務系45名、技術系113名

2013年度実績 事務系31名、技術系96名

2014年度実績 事務系36名、技術系101名

2015年度実績 事務系41名、技術系123名

 

筆者が就活生にすすめる比較ポイント

筆者がこの2社の社員に会ったら聞きたいと思うポイントは以下の点。

  • グループ全体の総合力って差があるの?
  • 国際競争力は差があるの?
  • 技術力は差があるの?
  • 新日鉄住金って商社とのつながりが強いの?

 

まず、新日鉄住金には化学、先端材料、ITといった、JFEにはない多彩なグループ企業が存在する。売上に占める割合はそれほど大きくないものの、今後もっと拡大させて、グループ全体で鉄鋼に偏らないバランスのとれた事業ポートフォリオを目指すのか気になる。そうなればグループ全体としての総合力で大きな差が出てくるだろう。

【2016年11月20日追記】 

コメントでJFEにもITや化学があるとご指摘を頂きました。確かにJFEシステムズやケミカル、マテリアルといった会社が存在します。ただ、このうちJFEシステムズの売上は400億円弱なのに対し、新日鉄住金ソリューションズは2000億円を超えています。ケミカルやマテリアルは情報公開されていないのでわからないが、事業の規模で言うと新日鉄の方が強いのだろうと考えられます。

 

次に、鉄鋼国内トップ2といっても、やっぱ新日鉄住金の方がかなり強いのではと感じる。外部から見える売上規模のみならず、業界の内部を知っている人ならではの情報を知りたい。ぱっと思い付いたのは、国際競争力と技術力だ。

 

最後に、商事の有無が気になる。筆者は総合商社の説明会によく行ったが、住友商事と豊田通商で、新日鉄住金との取引の話を聞いた。住商はわかるとしても、豊田通商も新日鉄住金の製品をトヨタに届けるというデカい取引をしているようだ。新日鉄住金は総合商社やメーカーと太いパイプがあり、製品の売り先に困らないのだろうか?一方でJFEは自前の商事で頑張っているのだろうか?ここにも表からは見えない力の差が隠れているのかもしれない。

【2016年10月27日追記】 

ちょっと誤解を招く書き方でした。新日鉄住金系列には日鉄住金物産という鉄鋼専門商社がある。ただ、株式の保有比率は約36%で、完全な子会社ではない。鉄鋼専門商社については以下の記事で詳しく解説している。

鉄鋼専門商社の業界研究と大手5社の解説(メタルワン・伊藤忠丸紅鉄鋼・日鉄住金物産・JFE商事・阪和興業)

【2016年11月20日追記】

商社に関してもコメントを頂きました。新日鉄住金とJFEのどっちと取引するかは使い分けだそうです。JFE商事が日鉄住金物産より強いため、JFEの方はグループ外商社に任せる量が少ない側面もあるそうです。 

 

自分の軸をしっかり持って比較せよ

このブログでは何度もこう言ってきたが、自分の軸を見つけ、軸に沿って会社を比較することこそが就活である。ビジネス面を重視して強い方へ行きたいのか、年収や勤務地が大事なのか、気持ちよく働ける社風が大事なのか、軸は人それぞれである。今回の記事では鉄鋼業界の背景から、両社のビジネス上の数字、年収、比較のポイントなど、様々な視点を提供した。これをヒントに、説明会やリクルーターとの面談で、納得いくまで会社について掘り下げて欲しい。

 

それではこの辺で失礼する。

 

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