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就活ブッダのブログ~涅槃を目指して~

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就活生のための10分財務諸表講座①~損益計算書とは

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みなさん、こんにちは。

ブッダです。

 

前回の記事で就活生が財務諸表の読み方を学ぶべき理由を説明したが、今回からはいよいよ読み方の講座を行っていく。

 

初回は、財務諸表の主要な構成要素

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • キャッシュフロー計算書

のうち、最も簡単な損益計算書から始めることにする。

 

損益計算書では、売上からスタートして、色々足し引きしながら各種の利益を求める

これが損益計算書の基本だ。以下の図を見てもらえば、直ちに意味が分かる。基本的に売上から色々引き算していくが、足し戻す場合もある。そして最後に残った分が純利益となる訳だ。損益計算書はある期間の収益をまとめたものだ。大抵の会社は3ヶ月ごとに四半期決算を発表し、年度の終わりに1年分の決算を発表する。

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以下、それぞれの項目の意味を見ていこう。

 

①売上総利益と②営業利益

ここで重要なのは

  • 売上原価はその期に売れた分だけ計上する
  • 営業利益は本業の儲けを表す

という2点だ。

 

例えば、1キロ100円でコメを買って、おにぎりを10個作ったとする。おにぎり1個の原価は10円であり、3個売れたとしたら、売上原価には30円を計上する。「じゃあ、余ったおにぎりはどうなるねん」というと、損益計算書にはこれ以上現れてこない。代わりに、貸借対照表に在庫として現れてくる。したがって、もしおにぎりを1個20円で売ったとして、「60円の売上・30円の原価でちゃんとビジネスしとるやん」と思っても、7つも在庫がたまってることは損益計算書だけじゃわからないので注意が必要だ。

 

売上から原価を引いた値が売上総利益(粗利ともいう)である。さらにここから“販売費及び一般管理費(販管費)”を引いた値が営業利益である。販管費とは、宣伝費や電気代や人件費といった、会社運営に必要な金である。

 

したがって、営業利益は本業のビジネスでどれだけ儲けられるかを表す重要な値だ。ここが赤字だと、そもそもビジネスとして成り立たない状態である。

 

以下に花王の平成26年度12月期決算の損益計算書を示す。実際にこれを見ながら計算練習をしてみよう。財務諸表は会社のホームページに行き、投資家情報→決算短信と進めばダウンロードできる。決算短信には、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書が含まれている(今回使った花王の決算短信はここからダウンロードできる)。

 

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花王の損益計算書を見てみると、

  • 売上高:1兆4017億700万円
  • 売上原価:6322億500万円
  • 販管費:6362億3200万円

であり、

  • 売上総利益:7695億200万円
  • 営業利益:1332億7000万円

であることがわかる(初めての人は実際に電卓で計算してみろ)。

 

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③経常利益

営業利益は本業の儲けを表すが、経常利益は「会社を普通に経営した結果の利益」である。

 

具体的に見ていくと、“営業外収益”は持ってる株から入ってくる配当である。また、ほとんどの会社は借金をしているので、その利息を払わなくてはならない。これは“営業外費用”となる。さらに、海外に持っている資産の評価額は為替レートによって変化するが、そこで発生した損失も営業外費用となる。

 

花王の場合、シャンプーや石鹸を売って儲けた営業利益から、普通に会社を経営していたら発生する収入や出費を足し引きして、経常利益1387億8400万円となっているのがわかる。

 

④税金等調整前当期純利益と⑤当期純利益

普通に会社経営をした結果生じた利益が経常利益であった。ここに一過性の収入(特別利益)や損失(特別損失)を足し引きして、税金等調整前当期純利益が得られる。

 

特別利益の一例としては、土地や工場を売った場合の収入が挙げられる。不動産業でなければ、これらは一過性の収入に過ぎないからだ。一方、特別損失の例は、台風や地震で工場が壊れた際の修復費用などが挙げられる。

 

花王の損益計算書を見てみると、特別損失の中に「化粧品関連損失88億9600万円」とある。これは傘下のカネボウ化粧品の白斑問題で発生した損失だ。カネボウの化粧品を使った人の肌に白斑の症状が出るという問題が発生したため、返品やら賠償やらに要した費用が特別損失として計上された訳だ。

 

という訳で、経常利益から特別利益・損失を足し引きして、税金等調整前当期純利益を計算してみよう。

 

 

 

正解は、経常利益1387億8400万円+特別利益3億3200万円-特別損失123億5500万円で、税金等調整前当期純利益1267億6100万円である。

 

そして最後に法人税などの税金を調整して、残った分が当期純利益である。花王の場合、795億9000万円であった。この純利益が株主の取り分となる。

 

損益計算書の読み方のポイント

  • 売上高からスタートして、各種利益を求めていく
  • 売上原価は売れた分だけ計上。在庫の有無は貸借対照表で見る
  • 営業利益は本業の儲けを表し、本業の実力のバロメーター
  • 経常利益は会社を普通に経営した結果の儲けを表す
  • 特別利益・損失は一過性の収入・費用である
  • 最後に残った純利益が株主の取り分である

 

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損益計算書を使ったワンランク上の企業研究

損益計算書の読み方をマスターすれば、自分で気になることを深堀できるし、会社のビジネスに対する理解度が上がる。ここではその一例を見てみよう。

 

筆者は海運業界大手3社を比較する記事を以前書いた。そこで海運業界は世界経済の影響をモロに受けると書いたが、日本郵船、商船三井の売上高に対する営業利益の比率を求めてみることで、それを実際に確認してみよう。

 

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2008年にリーマンショックが起こる前は世界経済がかなり好調だったので、2社とも利益率が高い。以前の記事で商船三井は三振かホームランかといった感じの経営スタイルだと説明したが、日本郵船より大幅に利益率が高いことがグラフから確認できる。

 

リーマンショックの翌年である2009年、東日本大震災やヨーロッパでの経済危機が発生した2011年・12年は営業利益率が大きく落ち込んでいる。営業利益は本業での儲けを表す訳だが、これが0%以下ということは、モノをいくら運んでも赤字というかなり厳しい状況である。

 

次に、商船三井の2015年度の損益計算書を見てみよう。

 

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特別損失のところに、構造改革費用として約1800億円計上されていることがわかる。構造改革の具体的内容は、高い値段で借りる契約をしていた船を、お金を払ってさっさと返したということだ。営業利益率がほぼ0%であり、当分運賃は上がらなさそうだから、このままそんな船を使い続けても仕方がないということで、先に膿を出し切った訳だ。

 

単に「海運業界は世界経済の影響を受ける」とか「商船三井が大赤字となった」という情報を受動的に聞くのと比べて、自分で数字を追いかけながら考察すれば、より実感を持って経営の状況がわかるだろう?「損益計算書の読み方はそんなに難しくないが、ちょっと勉強すれば企業研究で大きな差を付けられる」という筆者の主張をわかってもらえたはずだ。

 

今回の内容はこちらの本を参考にした。著者の小宮先生は財務諸表を使った企業研究の記事をたくさん書かれており、財務諸表の解説としては一番わかりやすいと思う。この本は本気で財務諸表の読み方を勉強したい人には絶対のおすすめである。

 

より実践的な企業研究のやり方を知りたい人にはこっちがおすすめ。色んなテーマで様々な企業を対象に、財務諸表を使った企業分析の例が紹介されている。

 

他の財務諸表講座はこちらから

就活生が財務諸表の読み方を学ぶべき3つの理由 

就活生のための10分財務諸表講座②~貸借対照表(バランスシート)とは 

就活生のための10分財務諸表講座③~キャッシュフロー計算書とは

 

それではこの辺で失礼する。

 

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