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就活ブッダのブログ~涅槃を目指して~

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理系院生の私が就活時に言ってた総合商社の志望動機と研究内容について

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みなさん、こんにちは。

ブッダです。

 

今回は、就活時に私が総合商社へ文系就職しようとする理系院生として言ってた志望動機を書く。研究内容を軽く説明したうえで、商社を志望する理由をしっかり論述してるので、本気で志望動機を考えたい人には勉強になる内容のはず。「メーカーじゃダメなの?」みたいなよくある深堀への回答も載せてるし、是非文理を問わず最後まで読んでいただきたい。

 

今回のトピック

  • 結論ファースト!私の志望動機の要約
  • 筆者の研究内容について
  • なぜ総合商社なのか?

 

 

結論ファースト!私の志望動機の要約

ザックリ言うと筆者はスマートグリッドに関する研究をしてた。スマートグリッドとは、「電力システムにITをはじめとした新技術を導入し、“賢く”使えるようにしましょうよ」という考え方のことだ(最近は少し下火だが、ちょっと前は流行ってた言葉だった)。定義は曖昧だが、例えば「夏の電力需給ひっ迫時に、日本中の不要なエアコンや照明をコンピューターが判断し、少しずつ節電する」みたいな技術をイメージしてもらえればいい。

 

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 こちらのサイトから拝借しました)

 

この例を見たらわかる通り、SFチックな話であり、少しずつ実現は近付いているものの、日本や世界全体で電力システムのあり方を刷新するなんてのはまだまだ先の話である。実のところ、筆者を含め大学関係者のやっている研究の多くは仮定に仮定を重ねた“アカデミック”なものに過ぎず、別に筆者の論文が人々の暮らしに影響を与えることは無い。

 

もちろん、アカデミックな研究は重要だ。ビジネス的な合理性とか電力業界の既得権益などと一切関わりの無い自由な立場から未来を描き、議論を促すのは大学などの研究機関にしか出来ない。ただ、筆者は事業を形にしたかった。筆者は「将来的にはこんなシステムが普及したと仮定しよう。そうするとこんなことが出来て…」と議論を膨らませるより、「この技術の普及を妨げるコストの問題をビジネススキームで解決して実用化させてやろう」と考える方に魅力を感じた。筆者はビジネス志向の人間であった。

 

後述するように、スマートグリッドには、電力システムを構成する機器や制御システムを作る会社をはじめとするあらゆるメーカー、そして人々の生活に近い立場でサービスを提供する会社が不可欠である。総合商社ならそういった様々な組織をまとめ上げ、ビジネスによって実際に電力システムを変えていけると筆者は考えた。

 

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筆者の研究内容について

筆者の話を十分に理解するために必要最低限の背景を伝えよう。

 

電力システムの大前提

今の電力システムでは、常に需要と供給が一致していなければならない。なぜなら、電気を貯めることが出来ないからだ。ビルでも工場でもあなたの家でも、今使っている電気はどこかの発電所がリアルタイムに発電している電気だ。イメージで言うと、自転車のライトと同じ。

 

まあ、電気を発電する以上に使えないのは当たり前だし、感覚的にわかるはず。自転車のライトだと走るスピードが遅くなれば明かりは弱くなる。電力システムにおいて、さすがに家の照明が暗くなるような需給アンバランスが発生したら大変だが、実は需給バランスが少しでも崩れると周波数が変動する。

 

中学か高校で、電力システムは交流系統で、東日本は50Hz、西日本は60Hzと聞いたことがないだろうか?よく勉強している人なら、東日本大震災後に原発が止まった分の電気を西日本から送れないのかという議論において、周波数変換所の容量的に難しいという話が出たことを知っているかもしれない。

 

交流は電圧が変動するのだが、その周期が東日本は50Hz、西日本は60Hzであり、ちゃんとこの値に守らないとマズイ。ザックリ言うと、「悪くとも0.2Hzまでの変動に抑えなきゃ」という世界であり、0.5Hzもずれたら異常事態だ。実際、工場の製品の仕上がりにムラが出たり、発電機のタービンが傷んだりといった問題が発生する。

 

よって、現在は東電や関電といった電力会社が、常に周波数を監視し、需要に合わせて発電機を制御して周波数を一定に保っている。中部電力のホームページから拝借したこの図でイメージをつかんでほしい。

 

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さて、なぜ長々と電力の需給バランスについて話してきたかというと、気象条件によって出力が変動する風力や太陽光を大量導入すると需給バランスが保てないじゃんという話をするためだ。脳ミソにお花が咲いてる無学な人間は「原発なんかやめて風力や太陽光をたくさん導入しよう」などと、浅はかなことを喚くが、電力システムの背景を知った上で言ってるのかな?そう簡単な話ではない。

 

「すでにヨーロッパでは風力発電の導入ガー」なんて反論もあるだろうけど、欧州は広い範囲で系統を接続してるメッシュ型の構造であり、日本はエリアが直線状に並んだくし型である。おまけに大陸なら風力発電に適した土地もあるが、日本の地形ではそうもいかない。ただ、海の上なら安定した風が吹くので、波の揺れや送電の問題をクリアすれば洋上風力発電という技術で日本も再エネ導入率を上げれるのだが…このくらいにしておこう。

 

何となく電気の需給バランスって言葉は聞いたことがあるだろうけど、少し詳しく知っておいて欲しい。

 

スマートグリッドについて詳しく

つい熱弁してしまったが、背景の導入は終わった。要は「再エネをたくさん導入して出力が変動するなら、何とかして需給バランスをとれる技術は無いのかね?」ということで、スマートグリッドが登場する。

 

例えば、電気自動車が普及した社会なら、停車中の車両を使って、再エネの電気が余っている時に充電させ、足りない時は少しずつ放電してもらえばいい。でも、出かけようと思ったら車の充電が空っぽでしたなんてことじゃ話にならんので、どういう制御システムを組めば人々の利便性と電力システム全体の両方を最適化できるのかという研究のモチベーションが生まれる。

 

他にも、電気料金を電力の需給状況に応じて変えることが出来れば、電気が足りない時に値段を高くして需要を抑制し、余ってるときに安くしてたくさん使ってもらうといったことが可能になる。筆者の研究は超ザックリ言うとこんなテーマ。

 

もちろんツッコミどころは山のようにある。例えば、「電気料金に応じていちいち人間が手動で照明やエアコンの調整をするんかい」というのはベタなツッコミ。これに関しては、HEMS(Home Energy Management System)という制御システムが研究されており、家庭内の全機器を接続して事前に設定を入れておき、自動で価格に応じて消費電力の調整を行うという構想がある。そんな突飛な話ではないだろう。「この値段の範囲なら冷房は~℃」とか、「~円以下なら風呂の湯を先に沸かしちゃう」とか出来そうだ。

 

別のツッコミとしては、「悪い奴らが発電を減らして価格を吊り上げるのでは?」というのも考えられる。これに関しては、ゲーム理論を応用し、自分が一番得になる行動を正直に行わないと損をするようなマーケットの作り方の研究がある。既にオークションとか入札で応用されている分野だ。

 

とまあ、議論と夢は膨らむのだが、いかんせん研究では仮定に仮定を重ねないと話が進まない。というか、そもそもゴールが明確ではない。これが筆者が研究を通じて常々感じていたことであり、歯がゆい所であった。例えば材料工学なら、「鉄より軽くて固い材料が欲しい」といった明確なゴールが設定できる(説明を簡単にするために言ってるだけなので、そっちの専門の方は悪しからず…)。しかし、スマートグリッドの話では“理想的な電力システムのあり方”すら定まっておらず、構成要素として必要な技術にも課題が残るので、筆者は意義のある研究テーマを定めるというスタート地点から苦労したのであった。

 

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なぜ総合商社なのか?

さて、お待ちかねの総合商社の志望動機の話だ。

 

結局ビジネスじゃないと社会は変わらない

「家の屋根に太陽光パネルをつけよう。蓄電池も買って、余った電気を貯めとけば災害時にも安心。これらの運転はHEMSがバッチリ自動制御するよ。ハイ、1000万円でどうですか?」

 

「家建てるだけで大変なのにそんな金ねーよハゲ」

 

これまで話してきたスマートグリッドは、電力システム側からの理想であった。ただ、インフラである電気を実際に使ってるのは圧倒的大多数の一般人であり、専門家ではない。値段もそうだし、「こんな素晴らしいことが出来ますよ」と言ったって、現状維持バイアスが避けられない。大半の人はsimフリーで安くなるって聞いても、今のキャリアの契約でいいやと思って行動しないでしょう。

 

高級な車や宝石を1点、それだけで売れと言われたら難しい。ただ、スマートグリッドは色んなものの組み合わせだし、生活に密着した分野である。だからビジネススキームを作り上げる余地が大いにある。それによって、コストとか人々のモチベーションといった障壁を取り除き、スマートグリッドを普及させたい。機械から生活必需品や住宅まで扱う総合商社ならそれが可能だ。

 

長くなったが、ここまでが筆者なりの、理系院生として研究活動から生まれた総合商社の志望動機だ。

 

商社の事例

【住友商事の甑島での事業】

薩摩川内市甑島(こしきしま)における、共同実証事業の始動について | 住友商事

 

どんな取り組みかというと、要らなくなった電気自動車のバッテリーを集めて1つの大きな蓄電池にして、再エネの変動を吸収するのに使おうぜという内容。勘の良い方なら気付くだろうが、風力や太陽光の出力が変動するとしても、バッテリーを併設して充放電により出力を平滑化して系統に送ればいい。確かにそうなのだが、バッテリーは高いので大量に導入するのは非現実的。そこで、住友商事はもう電気自動車には使えない中古のバッテリーに目をつけたのだ。

 

筆者の言う“総合商社なら色んな組織をまとめ上げて~”ってのはこんなイメージ。中古バッテリーを調達する流通網もあるし、自治体に働きかけて動かす力や、事業に必要な金を集める力もある。甑島の事業は実験段階だが、あとはこれをビジネス化するアイディアがあれば、実用的なシステムとして普及を進められる。

 

【三井物産のスマートシティ】

リリース | マレーシアでのスマートシティ開発にマスターディベロッパーとして参入 - 三井物産株式会社

 

スマートグリッドは電気の話だったが、スマートシティは街全体がITの塊みたいな感じ。この前話題になったAmazonの無人コンビニとか、自動運転が当たり前みたいな街だ。三井物産はマレーシアで新しい街づくりに参加している。スマートグリッドの導入においては、既存の古い設備をどうするのかという問題が存在するが、一から新しく街を作るなら全て最新の技術で統一できる。自動運転だって今の道路で走らせるのは難しいとしても、最初から自動運転を前提とした道路や交通ルールを作っちゃえばハードルは下がるのではないかと思う。という訳で、筆者はこういうデカいプロジェクトに関われるという点も商社の魅力だと考えていた。

 

メーカーじゃダメなの?

理系が商社を受けると必ずこの手の質問をされる。一応筆者なりの回答は、「同じゴールを目指すにしても、広い世界を見て俯瞰的な立場で取り組める方が良い」だ。メーカーだとどうしても自社の製品に捕らわれるし、自分が個人としてメインで扱うのは“技術”だ。

 

例えば日立クラスの大企業ならスマートグリッドを作ることも可能だろうが、「この部分はウチより三菱電機の方が優れてるんだけど、どうしようかな」なんて議論はしたくない。それに筆者は塾講師としての経験や元来の才能的に、難しいことをかみ砕いて人に伝えるのが得意である(このブログが証拠でしょw)。だから、理系出身として技術がある程度わかる、それを人に理解してもらうという強みの掛け算により、多くの組織をつなげる役割が向いてると思った。

 

最後に

5000文字近い大長編の記事となったが、ここまで読んでくれた方には御礼を申し上げます。ここまで読んでおきながら志望動機を完コピするアンポンタン就活生はいないだろうが、コピペして落ちても筆者は知りません。

 

筆者の志望動機を参考にしつつ、「なぜ商社なのか」、「商社じゃないとダメなのか」とじっくり掘り下げて欲しい。疑問が出てきたり、行き詰ったら勉強だ。まだまだ本を読む時間も、OB訪問する時間もあるし、個別説明会までに考えを成熟させれば、しっかり社員に深い質問を出来る。

 

筆者は「総合商社に入ったら勝ち組やウホウホ」と鼻息の荒い就活生が消えて欲しいと思っているが、当ブログに箔が付くので「総合商社内定者」を輩出したいと思ってる(笑)。みなさんの健闘を祈る。

 

それではこの辺で失礼する。

 

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