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就活ブッダのブログ~涅槃を目指して~

就活の本質がわからぬまま迷走して無い内定...そんな就活からの解脱を目指して

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飲料大手(サントリー・キリン・アサヒ・サッポロ)の違いを比較

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みなさん、こんにちは。

ブッダです。

 

今回は飲料大手4社(サントリー・キリン・アサヒ・サッポロ)を比較しよう。大半の人にとって、商品はどれも馴染み深いけど、会社については深く考えたことがないだろう。各社特徴があって、直近の課題も違っていて面白い。視野が広がるので、普段はビール飲んでウェイウェイ言ってるだけの大学生も、少しは賢い視線から飲料メーカーを見てみよう。

 

先に簡潔なまとめ

  • サントリーは事業のバランスがいい。グローバル企業を目指してアメリカのビーム社を巨額買収したが、その成功が今後のカギとなる。
  • キリンは海外展開で他社よりリードしてきたが、2015年度はブラジル子会社の不調により最終赤字に転落。立て直しが課題となっている。
  • アサヒはスーパードライを武器に国内ビールシェア一位だが、海外展開の遅れが目立つ。欧州のビール会社を買収して攻勢に出た。
  • サッポロは国内酒類事業と不動産事業が二大収益源。規模は他の3社に比べて小さく、独自路線を進む。

 

今回のトピック

  • 各社のセグメントを比較
  • 5つのランキングで比較
  • 各社の最近の事情を紹介

 

各社のセグメントを比較

「どこも売ってるのはジュースとビールと酒でしょ」と思いきや、意外と他のこともやっている。

 

サントリー

サントリーのレポートによると以下の3つの事業分野が紹介されている。

  • 飲料・食品
  • 酒類
  • その他

 

【飲料・食品】

ウーロン茶、天然水、BOSS、C.Cレモン、伊右衛門、オランジーナあたりはご存知の通り。

 

【酒類】

ここは非常に色んな酒を扱っている。ウイスキーの「響」「山崎」「角」などは有名だが、2014年にアメリカの大手ウイスキーメーカーであるビームを約1兆6000億円という莫大な金額で買収した。“JIM BEAM”というバーボンを見たことないだろうか?他にもスコッチウイスキーやリキュール類、ジンなど色んな酒を扱っている。

 

もちろん、「プレミアムモルツ」、「金麦」、「オールフリー」といったビール類は超有名だし、「ストロングゼロ」や「ほろよい」のようなチューハイもご存知の通り。さらに、実は国内外でワイン事業も手掛けている。

 

【その他】

ここが一番意外だ。「響」、「燦」、「パパミラノ」などのレストランを手掛けるダイナック、喫茶店プロント、そしてなんとハーゲンダッツもサントリーの傘下だ。また、実はセサミンのような健康食品も売っているのだ(若い就活生には関係ないか)。

 

セグメント別売上・営業利益構成比は以下の通り。ともにバランスが良いのが見て取れる。

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キリン

キリンのセグメントは以下の4つ。

  • 日本綜合飲料
  • 海外綜合飲料
  • 医薬・バイオケミカル
  • その他

 

【日本綜合飲料】

キリンは酒・ジュースという切り口じゃなくて、国内・海外という切り口だ(後述するが海外展開に注力している)。

 

ビールだと「一番搾り」、「キリンラガー」、「淡麗」、チューハイだと「氷結」、ソフトドリンクだと「午後の紅茶」、「生茶」、「キリンレモン」あたりが有名で「小岩井」も実はキリン。

 

【海外綜合飲料】

オセアニアのライオン社、ブラジルのブラジルキリンという会社が子会社にある。ブラジルキリンは現在苦戦しており、立て直しが課題となっている。

 

【2017年2月12日追記】

2017年1月20日に「キリン、ブラジル事業をハイネケンに売却検討中」という報道が出た。同日キリンは「他者との戦略的提携も考えてるけど、自主再建を第一にやってるよ。まだ決まってないよ」と発表した。引き続き要注目である。

キリン、ブラジル事業撤退へ 現地子会社の売却検討:朝日新聞デジタル

IRリリース | IRライブラリ | IR・投資家情報 | キリンホールディングス

 

【2017年2月20日追記】

結局報道通りハイネケンに売ってブラジルから撤退。以前からミャンマーやオーストラリアに力を入れていたが、今後さらにアジア・オセアニアへ注力する模様。

キリン、ブラジル事業の売却発表 ハイネケンに770億円で :日本経済新聞

 

【医薬・バイオケミカル】

ここは協和発酵キリンという会社がやっている。元は協和発酵という会社だったが、キリン傘下のキリンファーマとくっついて2008年にキリングループの傘下に入った。製薬とアミノ酸やグルタミン酸の発酵生産を行っている。

 

キリンのセグメント別売上・営業利益構成比は以下の通り。売上はバランスがいいものの、稼いでいるのは一番売上が小さい医薬・バイオケミカルである。

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アサヒ

アサヒのセグメントは以下の4つ。

  • 酒類事業
  • 飲料事業
  • 食品事業
  • 国際事業

 

【酒類事業】

なんといっても「アサヒスーパードライ」が超有名。また、ちょっと前にNHKの朝ドラ「マッサン」が放送されたが、あれのモデルになった竹鶴政孝が創業したニッカウヰスキーという会社は現在ではアサヒグループの傘下だ。

 

チューハイは他と比べて有名なブランドは少ない(筆者の印象では)。

 

【飲料事業】

ソフトドリンクだと「三ツ矢サイダー」、「缶コーヒーWONDA」、「十六茶」、「カルピス」あたりが有名。

 

【食品事業】

実は色々やっている。知名度が高いのは「ミンティア」、「一本満足バー」、「エビオス錠」、「ディアナチュラ」などで、その他にも健康食品を色々手掛けている。

 

【国際事業】

アサヒは海外進出で出遅れていた。2016年にヨーロッパのビール会社4社を3300億円で買収し、海外進出に力を入れ始めたが、今後どれだけ利益貢献させられるかは未知数だ。

 

アサヒのセグメント別売上・営業利益構成比は以下の通り。酒類に偏っており、さらに言うとスーパードライに偏っている。国内ビールで圧倒的に強いが、良くも悪くも一本足打法と言えよう。

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サッポロ

サッポロのセグメントは以下の5つ。

  • 国内酒類事業
  • 国際酒類事業
  • 食品・飲料事業
  • 外食事業
  • 不動産事業

 

【国内酒類事業】

ビールの「黒ラベル」、「ヱビス」、「麦とホップ」が有名。チューハイやワイン、洋酒などもやっている。有名どころだと「バカルディ」が挙げられる。

 

【国際酒類事業】

情報が少なくてよくわからないのだが、サッポロのホームページによると「アメリカでアジアのビールとしてNo.1の地位を占めるサッポロブランド」らしい。

 

【食品・飲料事業】

「キレートレモン」、「ポッカレモン」、「アロマックス」あたりが有名。また、コーンポタージュを筆頭にスープも売っている。

 

【外食事業】

筆者は馴染みがないのだが、「銀座ライオン」、「ヱビスバー」などをはじめとして居酒屋を展開している。

 

【不動産事業】

「恵比寿ガーデンプレイス」と「サッポロファクトリー」の2つの複合施設およびオフィスビルなどの運営のほか、不動産開発事業を積極的に展開。

 

正直やや影の薄い感じがするサッポロだが、セグメント別売上・営業利益構成比を見てみると面白い。国内酒類事業が儲かっているのはわかるとして、不動産事業が大きな収益の柱となっている。逆に言うと、国際酒類事業、食品・飲料事業、外食事業は全然儲かっていない。

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5つのランキングで比較

  • 売上高
  • 純利益
  • ビールシェア
  • 清涼飲料販売シェア
  • 海外売上高比率

の5つのランキングを見てみよう。

 

売上高

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アメリカのビーム社を取り込んだサントリーが伸びている。サッポロは他と比べて群を抜いて規模が小さい。

 

純利益

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サントリーが2013年だけ飛び抜けているが、これは子会社のサントリー食品インターナショナルを上場したことによる特別利益のおかげ。ちなみに、サントリーは持株会社制なのだが、本体のサントリーホールディングスは非上場で、主軸の事業会社であるサントリー食品インターナショナルの方が上場されている(ややこしいな)。

 

キリンは2015年度は上場以来初の最終赤字に転落。ブラジルキリンは、元は「スキンカリオール」という現地の会社で、約3000億円で買収したのだが、予想したほど利益が出ていないので減損に至ったこちらのサイトを参照)。これが赤字になった理由である。

 

ビールシェア

こちらのページによると、2014年のシェアは以下の通り。

  1. アサヒ:38.2%
  2. キリン:33.2%
  3. サントリー:15.4%
  4. サッポロ:12.3%

 

尚、ビール市場は10年連続のマイナスで、現行統計が始まった1992年以降の過去最低を更新した。やっぱ国内市場が縮小していくのは避けられないか…

 

清涼飲料販売シェア

こちらのサイトから、2014年の清涼飲料販売シェアのランキングを見てみよう。

  1. コカ・コーラグループ 27.6%
  2. サントリー食品インターナショナル 20.5%
  3. アサヒ飲料 12.9%
  4. 伊藤園 11.0%
  5. キリンビバレッジ 10.5%
  6. ダイドードリンコ 3.1%
  7. 大塚ホールディングス 3.0%
  8. カゴメ 2.3%
  9. ポッカサッポロフード&ビバレッジ 2.3%
  10. JT 1.6%(※既に撤退している)

 

皆さんは既にお気付きだったかもしれないが、実はコカ・コーラについて解説していない。というのも、コカ・コーラは全国各地に展開するボトラーと呼ばれる会社が日本コカ・コーラから原液を買い、商品を製造して売るという特殊なビジネスモデルで、日系メーカーと比較しにくかったからだ。

 

【2017年2月12日修正】

ただ、近年は2位のサントリー食品インターナショナルに追い上げられており、戦略の見直しが必要である。国内2トップであるコカ・コーライーストジャパンとコカ・コーラウエストが統合交渉に入っており、この業界に興味がある人はしっかりニュースをフォローせよ。

 

イーストとウエストは2017年4月に統合予定。

全文表示 | コカ・コーラ「東・西」が統合 巨大ボトラー誕生でこれから起きること : J-CASTニュース

 

【2016年10月27日追記】

キリンとコカ・コーラが清涼飲料事業で業務資本提携を協議中と報道された。これに関しては両社とも肯定している。上述のコカ・コーライーストとウエストが統合してできる新会社と、キリンビバレッジに両グループからそれぞれ出資するようだ。狙いは物流や調達の効率化である。国内市場は人口減の中、多数のメーカーがひしめいているため、価格競争が激しい。単独でのコスト削減は厳しいため、タッグを組んで収益力の向上を狙う。 

キリン、コカ・コーラと資本業務提携「協議進めている」 :日本経済新聞

 

【2017年2月20日追記】

結局、条件で折り合いがつかず、資本提携は断念し、業務提携を目指して交渉を続ける模様。

キリン、コカ・コーラと資本提携断念 業務提携交渉は継続 :日本経済新聞

 

資本提携と業務提携の違いについてはこのページの説明がわかりやすい。

業務提携、資本提携、経営統合、合併の違いとは? | ライセンス契約、業務委託契約、英文契約等ならお任せ!業務提携契約の専門の行政書士です。

 

海外売上高比率

最後に、海外売上高比率のグラフをこちらのサイトから借りてきて見てみよう。

 

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これまで述べてきた通り、海外進出ではキリンがリードしている。サントリーはビーム社の買収により一気に伸びた。アサヒは一番出遅れている。

 

各社の最近の事情を紹介

サントリー

ビーム社は1兆6000億円という超巨額の買収である。向こうもデカい組織だけに、きっちり文化の違いまで統合するのは大変だ。よって、両社の人材交流を活発にしたり、ブランドの整理をすることで、まずは統合を完璧に成功させることが目前の課題だ。

 

キリン

繰り返し述べてきたように、足を引っ張っているブラジルキリンの立て直しが最優先課題だ。海外展開でいうと、まだまだ成長余地のあるミャンマーでの事業が今後の躍進のカギとなるだろう。 

上記の通りブラジル事業は売却の噂も出ており、ニュースをしっかりチェックせよ

結局撤退したので出直しですね。

アサヒ

ここの中期経営計画を読んでも、正直当たり前のことしか言っていない。当面は最近買収したヨーロッパのビール4社を上手くマネジメントすることだろう。長期的には海外売上高比率を上げる必要があり、アサヒ自身も「日本発の「強み」を活かすグローバルプレイヤーとして独自のポジションを確立する」と言っている。

 

就活生はアサヒがどう海外展開するべきか自分の意見を言えるようにしておくといいかもしれない。会社の動きをきっちりフォロー出来ている就活生は1.5流くらいで、その先の展開について自分の考えまで述べられたら一流である(もちろん社員レベルの意見を求められているのではなく、出来るだけ論理的かつ主体的に考えられていればよい)。

 

【2016年12月17日追記】

アサヒはヨーロッパで攻勢に出た。上記の4社買収に加え、12月には中東欧5か国のビール事業を約9000億円で買収すると発表した。これで海外売上売上高比率は24%に達する模様。

アサヒGHD、西欧ビール4社の買収完了 2945億円 :日本経済新聞

アサヒ、中東欧ビール事業を8883億円で買収 欧州に基盤 | ロイター

 

サッポロ

セグメントのところで見た通り、儲かっていない事業を効率化することが必要だ。国内酒類事業では“「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」をビジョンに掲げ、「感動創造企業No.1」を目指します”と言っており、規模では他社と比較にならないので、独自路線を歩んでいくことになろう。

 

これまで見てきたように、サッポロは他社とは規模も方向性も異なるので、飲料業界を一通り受ける就活生は志望動機を考える際、サントリーやキリンとは全く違うサッポロならではの魅力を言えるようにしておこう。

 

最後に

今回紹介した飲料業界をはじめ、食品、化粧品といった身近な消費財を売っている企業に興味のある人は、マーケティングを学ぶべきだ。これまで筆者が紹介してきたような商社・重厚長大メーカー・金融業界などは世界情勢、時代のトレンドの勉強が大事であったが、消費財メーカーの場合、マーケティングを学び、PRの戦略、ブランドの作り方などを比較するとよい。

 

マーケティングの勉強ならこの本がおすすめ。基本が詳しく書かれている上に、B to Cの事例が豊富だ。

 

【2016年12月29日追記】

この本とは別に圧倒的おすすめのマーケティングの本を見つけたので、記事にしました。詳しくは以下のリンクからどうぞ。マーケティングの本質がわかるからB to C受ける人は絶対に読んでおくべき。 

超オススメできるマーケティングの本について書評や解説を書く【図解 実戦マーケティング戦略】

 

「身近な商品で好きだから」以上にビジネスを深く理解した志望動機が作れると内定に近づく。

 

それではこの辺で失礼する。

 

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