読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

就活ブッダのブログ~涅槃を目指して~

就活の本質がわからぬまま迷走して無い内定...そんな就活からの解脱を目指して

MENU

就活生のための10分財務諸表講座③~キャッシュフロー計算書とは

企業研究 企業研究-企業研究のやり方

【スポンサーリンク】

f:id:job-hunting-buddha:20161001110444p:plain

 

みなさん、こんにちは。

ブッダです。

 

今回は財務諸表の構成要素3つ目のキャッシュフロー計算書について解説する。正直なところ、自分で企業研究するには損益計算書や貸借対照表(バランスシート)ほど重要ではないのだが、やっぱりビジネス誌や日経新聞の記事を読むには非常に役に立つ。という訳で、サクッと学べてしまうので、ここまできたら最後までやりきろう。

 

キャッシュフロー計算書を読むうえで大事なこと

  • キャッシュフロー計算書で現ナマの流れがわかる
  • キャッシュフロー計算書は3つのパート(営業CF・投資CF・財務CF)から構成される
  • 営業キャッシュフローはプラスでなくてはならない
  • 投資CF・財務CFはマイナスが普通
  • 稼ぐ力を重視する経営スタイルもある

CFはキャッシュフローの略で、適宜使用する。では1つずつ見ていこう。

 

キャッシュフロー計算書で現ナマの流れがわかる

まず、キャッシュフロー計算書とは何かというと、企業の現ナマの流れを示すデータだ。企業が原料を仕入れて製品を売ることで純利益が1億円発生したとしても、1億円の現ナマを手に入れているとは限らない。原料を買うのに使った代金を買掛金にしているかもしれないし、売上も売掛金となり、まだ手元に入ってないかもしれない(売掛金や買掛金の説明はバランスシート編に書いてある)。

 

大学生にわかりやすく説明すると、バイトは毎週やっているけど給料が入るのは月一の給料日だけ、買い物の一部はクレジットカードで払ったので支払いはまだ先といったイメージだ。こういう場合だと、(収入)-(支出)を家計簿に記録していたとしても、財布に入っている現金とは一致しない。で、もしかしたら給料日直前は財布がスッカラカンになって生活に困ることもあるだろう。大学生なら断食すれば乗り切れるが、企業なら最悪の場合“黒字倒産”も起こり得る。したがって、現ナマが手元にあるということは非常に重要なのだ。

 

キャッシュフロー計算書は3つのパート(営業CF・投資CF・財務CF)から構成される

キャッシュフロー計算書は上記の3つのパートから構成される。それぞれの意味を見ていこう。

 

営業キャッシュフローはプラスでなくてはならない

営業キャッシュフローは、税金等調整前当期純利益に対して

  • 売上に計上したが実際に金が入ってない額を引く
  • 実際には金が入っているが、売上に計上していない額を足し戻す
  • 実際には金が出ていってないのに引いた費用を足し戻す

といった操作をして求める。

 

とまあ、これだけ言ってもイメージがつかめないだろうから、例を挙げつつ説明しよう。

 

①は簡単だ。冒頭で説明した売掛金分を純利益から引くのだ。純利益が1億円あったとして、3000万円分は来月回収するとしたら、実質7000万円しか収入がないことになる。

 

②も簡単で、以前に製品を売り、今期にその代金を回収した額のことだ。損益計算書編の復習だが、損益計算書にはその期に売れた分だけ計上するのであった。したがって、前期に売れた時に損益計算書に計上したが、代金の回収をしたのは今期という額は今期のキャッシュフローになる。

 

③は減価償却費のことである。減価償却費とは、何年も使う土地や機械の購入代金を一括で費用に計上するのではなく、1年ごとの値に分割して毎年計上する費用のことだ。例を挙げると、10年使う機械を10億円で購入した場合、毎年損益計算書の原価のところに1億円を計上する。そして、毎年バランスシートでその資産の価値を1億円ずつ減らしていく。

 

減価償却費を考えた方が感覚的に妥当な会計になる。仮にこの機械を使って毎年2億円の売上を出せるとすると、もし初年度に費用10億円を計上した場合、初年度は8億円の赤字で、以後9年間2億円の黒字が続くことになる。トータルで10億儲かるのは同じとしても、毎年1億の原価で2億の売上により利益1億円と考える方が妥当なのはわかるはず。

 

で、この減価償却費は実際に費用として現ナマが出ている訳じゃないから、“実際には金が出ていってないのに引いた費用を足し戻す”という操作を行うのだ。

 

ここまでで営業キャッシュフローの意味はわかってもらえただろう。では、この営業キャッシュフローはプラスでないといけないということがわかるだろうか?営業キャッシュフローこそが企業の稼ぐ唯一の金である。他に借金や資産の売却で金を得る方法もあるが、それらは企業の本業ではない。よって、営業キャッシュフローが安定して稼げていない企業はビジネスが上手くいっておらず、将来危ういといえる。

 

最後に、これまでの記事と同様に花王の平成26年度12月期決算短信から営業キャッシュフローを見てみよう。税金等調整前当期純利益からスタートして、様々な項目を足し引きして営業キャッシュフローが求まっているのがわかる。

f:id:job-hunting-buddha:20161001111059p:plain

 

投資キャッシュフローはマイナスが普通

投資キャッシュフローは、土地や機械を買うといった事業に必要な投資と、株を買ったり定期預金をするというファイナンス的な投資による金の流れを示す。後者は売却益やリターンによって収入となることもあるが、前者は事業に使うものなので、基本的に売却する前提ではない。したがって、投資キャッシュフローはマイナスなのが普通だ。ここがプラスの場合は資金繰りに困って事業に使うべき設備を売却して現ナマに変えてる恐れがある。

 

花王の投資キャッシュフローを見てみると、“有形固定資産の取得による支出”が大きな割合を占め、投資活動によるキャッシュフローはマイナスとなっている。

 

f:id:job-hunting-buddha:20161001111155p:plain

 

もう少し細かく見ると、

減価償却費<有形固定資産の購入と売却の差額

ならば未来への投資が十分といえる。

 

有形固定資産とは大まかに土地や工場と思えばよい。これらを買った分と売った分の差額が、実質的な設備投資への支出である。一方、減価償却費はさっき説明したように、設備や工場の価値の一年ごとの目減り分である。したがって、設備の価値が目減りしていく分以上に投資を行っていかなければ、将来企業が発展することは出来ないといえる。

 

この考え方で花王の投資キャッシュフローをもう一度見てみよう。

  • 有形固定資産の取得による支出=-511億5100万円
  • 有形固定資産の売却による収入=0円
  • 減価償却費=796億6000万円(これは営業キャッシュフローに書いてある)

なので、減価償却費の方が大きいことがわかる。未来への投資をしてない訳じゃないけど、カネボウを買収したことでのれんの償却がかさんでいるのが理由だ(のれんの意味は発展的内容なので、興味のある人は調べてみよう)。

 

【スポンサーリンク】
 

 

財務キャッシュフローもマイナスが普通

財務キャッシュフローは、ファイナンスの状況と株主への還元状況を表す。

 

ファイナンスの状況とは、借り入れや、社債・株式の発行で調達した金と、負債を返した額の流出入の状況である。株主への還元状況とは、配当金や自社株買いに使った金の流れだ。

 

当たり前だが、後者の株主への還元は常に支出だ(経営がピンチで無配当ならゼロ)。前者の方は、企業を買収したり、新たな事業を始めるといったタイミングでは多額の資金を調達することがあるものの、基本的には借金を返済の額の方が多くなくてはいけない。だからこちらもマイナスが基本だ。したがって、財務キャッシュフローはトータルでマイナスになるのが普通だ。

 

最後に、花王の財務キャッシュフローを各自見てみよう。

f:id:job-hunting-buddha:20161001111357p:plain

 

稼ぐ力を重視する経営スタイルもある

いよいよキャッシュフロー講座も終盤だ。最後は、ビジネスに関するニュースを多面的に見れるように、新たな視点を提供しておこう。それはキャッシュフローに注目した経営スタイルである。

 

これまで筆者の企業研究では純利益の額を見てきたし、ニュースで黒字や赤字と言っているのも純利益の場合が多い。確かに事業の結果純粋に儲けた額が純利益なのだが、純利益ばかり増やそうとしても会社の本当の状態は良くないということが起こり得る。営業キャッシュフローのところで見たように、手元に現ナマがあるということは大事だし、投資CF・財務CFの面からも企業経営を健全化する必要がある。こういった経営スタイルをキャッシュフロー経営といい、ときたまこの言葉が出てくるので、覚えておいて損はない。

 

また、三井物産が営業キャッシュフローに近い意味合いのEBITDAという値を使って経営を評価しているのも注目だ。こちらの社長インタビューで「確かに純利益も大事だけど、キャッシュを作る力で評価しようや」と語っている。世間では伊藤忠商事が純利益一位になったとか、三菱商事、三井物産が大赤字になったと騒いでいたが、週刊エコノミスト2016年3月15日号によると、「キャッシュ創出力では伊藤忠より三菱、三井の方がまだ上回っている」とある。ニュースを多面的に見るという意味がわかってもらえただろうか?

 

最後に

もう一度今回のポイントをおさらいしておこう。

  • キャッシュフロー計算書で現ナマの流れがわかる
  • キャッシュフロー計算書は3つのパート(営業CF・投資CF・財務CF)から構成される
  • 営業キャッシュフローはプラスでなくてはならない
  • 投資CF・財務CFはマイナスが普通
  • 稼ぐ力を重視する経営スタイルもある

 

毎度紹介しているが、財務諸表の読み方を本気で学びたいならこの本が圧倒的におすすめ。

 

小宮先生の財務諸表を使った業界研究の記事はネットに出ているので、一度読んでみるといい。例えば、この日立と東芝を比較した記事を見てみると面白い。これは東芝の不正会計問題が出始めた頃に書かれた記事なので、バランスシート編で紹介した企業の安全性をチェックする指標では合格と書かれている。しかし、その後本当の数字に修正したらヤバかった訳で、そこを比較することで不正会計の様子がリアルにわかる。

 

就活に直結する業界研究・企業研究ならこの本のやり方を真似してみるといい。財務諸表に関する説明は上の本よりザックリした内容である反面、企業研究の実践的な例が豊富だ。

 

その他財務諸表講座はこちらから

就活生が財務諸表の読み方を学ぶべき3つの理由 

就活生のための10分財務諸表講座①~損益計算書とは 

就活生のための10分財務諸表講座②~貸借対照表(バランスシート)とは

 

あなたへのおすすめ記事

就活生向け業界研究・企業研究のやり方【改良版】

企業研究 カテゴリーの記事一覧

伊藤忠商事がグラウカスという奴らに虐められてる件を就活生向けに解説

鉄鋼専門商社の業界研究と大手5社の解説(メタルワン・伊藤忠丸紅鉄鋼・日鉄住金物産・JFE商事・阪和興業)