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就活ブッダのブログ~涅槃を目指して~

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日産のカルソニックカンセイ売却で登場したKKRとは?PEファンドについて解説

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(カルソニックの画像はこちらから拝借。SUPER GT観てた自分的にはレースは続けて欲しいな…) 

 

みなさん、こんにちは。

ブッダです。

 

今回は昨日発表された日産自動車のカルソニックカンセイ株売却について調べたことをまとめたい。

 

今回のトピック

  • 日産のカルソニックカンセイ売却について
  • PEファンドとは
  • 投資銀行や総合商社との比較
  • KKRとは

 

日産のカルソニックカンセイ売却について

ニュースの概要

自動車部品メーカーの記事で紹介したけど、カルソニックカンセイは日産系列で最大手部品メーカーだ。当然日産はそこの株式を持ってるんだが、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)というアメリカの投資ファンドに全部売却すると発表した。

 

もう少し正確に言うと、KKR傘下のCKホールディングスという会社がTOB(株式公開買い付け)を実施し、そこに応募する予定。TOBが成立したらカルソニックカンセイはCKホールディングスの完全子会社となり、上場廃止となる予定だ。

 

出典:日産自、カルソカンセ株をKKRに売却と発表 TOBに応募 :日本経済新聞

 

何故売却するのか

カルソニックカンセイといえば日産系列最大手で、売上も1兆円を超える超一流企業なのに、なんで日産は売ってしまうのかと思うだろう。ゴーン社長が心の奥底で何を考えてるかはわからないが、一般的に言われているのは次のような内容。

 

自動車業界は、自動運転、電気自動車(EV)へのシフトなど、大きな転換が始まりつつある。テスラやグーグルみたいな異端児が入ってきて業界勢力図がゴッソリ塗り替えられるかもしれない。という訳で、既存の自動車メーカーも生き残りを懸けて次の戦略を探している。日産の場合は、系列にこだわらずベストな部品メーカーと組みたいし、カルソニックカンセイ売却で得た金を自動運転やEVの研究開発に使いたい。

 

一方、部品メーカーだって自動車の枠組みが変われば必要となる部品も変わる訳なので、同じく激流に晒される。新時代に必要とされるパーツを開発し、生き残るためには新たなパートナーが必要となる。後述するようにKKRはグローバルな投資会社なので、カルソニックカンセイにとっても一皮むけるいいチャンスだろう

 

【参考にしたページ】

日産、次世代車シフトで系列解体 カルソニック売却発表 :日本経済新聞

[カルソニック買収先はKKRか。買収総額4000億円規模のTOBが始まる] 日産はカルソニックカンセイを米ファンドのKKRに売却へ。カルソニックの海外比率がさらに高まる可能性。 – マルチリンガル国際評論家が明かす、人生を楽しむ技

日産、カルソニックカンセイの株式41%の売却に合意 【 F1-Gate.com 】

 

PEファンドとは

ここからは「KKRって何やねん」と思って筆者が調べたことをまとめる。なお、本記事はツイッターでえびセン様から頂いたリプがきっかけで執筆に至りました。この場でもう一度御礼を申し上げます。

 

PE(プライベート・エクイティ)ファンドの定義

まず、「プライベート・エクイティ」とは広義には未上場企業の株式を意味する。「ファンド」は、投資家から資金を集めて特定の目的をもって運用する金融商品で、運用資金から得られた収益を分配することにより投資家に還元する。

 

という訳でPEファンドは、投資家から金を集めて未上場企業の株を買い、その株が値上がりしたところで売ってキャピタルゲインを得ることが目的だ。今回のカルソニックカンセイの件ように、上場企業に対しても、経営陣の賛同を経たTOBを通じて非上場化することでプライベート・エクイティ投資を行う場合がある。

 

具体的投資パターン

PEファンドがやることがザックリわかったところで、投資パターンもう少し詳しく見てみよう。具体的には以下の4つが挙げられる。

  1. 創業期の会社や事業に投資する「ベンチャーキャピタル」
  2. 成熟期以降の会社や事業に投資する「バイアウト投資」
  3. 経営不振会社に投資する「企業再生投資」
  4. 破綻企業に投資する「ディストレス投資」

 

一番わかりやすいのは①のベンチャーキャピタルだと思う。グーグル、Amazon、Facebookあたりの創業から上場までのストーリーを思い出してもらえれば、破格の金が儲かるイメージがすぐにわかる。

 

今回のカルソニックカンセイは②に該当する。ある程度成長してる会社でも停滞してたり、転換が必要な状況にはなる訳で、そこで一皮剥けさせて企業価値を高められれば高値で売れる。

 

③はスカイマークの再建がいい例だ。あの時「インテグラルというよくわからん連中が出てきたけど、誰やねん」と思った人はいないだろうか?インテグラルはスカイマークに金出して経営立て直しさせて、立て直し完了したら頃合いを見計らって売ることで儲けるのが狙いだ。

 

過半数の株を取得して経営を握るバイアウト投資

よくわからん会社の株をちょびっとだけ買って、いつか上がればいいなと願いながら待つようなファンドに投資する人はいるまい。PE投資では多くの場合、過半数の株を取得して経営権を握ることで、積極的に企業価値の向上を狙う。役員を派遣するとか、PEファンドの情報ネットワークをフル活用して経営をサポートしたりする。なんかどっかで聞いたような話じゃない?そう、就活生がみんな大好き総合商社の事業投資だ。

 

【ここまで参考にしたサイト】

日本プライベート・エクイティ協会│よくあるご質問

プライベートエクイティとは

 

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投資銀行や総合商社の事業投資と何が違うのか

Unistyleこの記事がわかりやすかったので、ここから話をまとめる。

 

まず、投資銀行は名前に“投資”ってつくからPEファンドみたいなことやってる気がするかもしれない。なんかウォール街の連中って悪そうだし、企業の株を買って経営乗っ取って好き放題やるみたいな(笑)。まあ、それは全然違う。

 

投資銀行のIB部門って所が今回の話に関係あるのだが、ある企業がよその会社を買収する際に、買収候補先の提案から必要な金額の算出、資金の調達方法など、買収に関わるアドバイスを行うのが彼らの仕事だ。要は買収に関する金の話のプロフェッショナルということだ。

 

次に総合商社だが、彼らは基本的に売る前提で出資していない。もちろん定期的に資産の入れ替えはするけど、初めから売却益を狙ってる訳じゃない。総合商社のビジネスモデルの記事で書いたように、商社は自分らのバリューチェーンを充実させて、安定して収益を上げることを目指して出資する。人を送り込んで一緒に経営を行って会社を良くするというプロセスは似てるが、この点が最終的なゴールが売却益狙いのPEファンドとの違いだ。

 

よその会社の経営に深く関与するって点だと、戦略コンサルタントも話に挙がる。総合商社の面接では「経営に関わりたいんです」って言う就活生に対し、「コンサルや投資会社ではダメなの?」と聞くやり取りがよくあるそうな。商社の説明会でも、「うちの事業投資は出資先の企業を育てるので~高値で売ってしまう事業投資会社とは違って~」あたりの話を聞く。ここを押さえて「自らリスクを取って、手を動かせる点で商社がいいです」みたいに言うのが無難な回答だろうけど、“経営”という点でこだわりを見せたい就活生は、差別化できるようなオリジナリティ溢れる回答を考えるとよい。

 

KKRとは何者か

最後に、カルソニックカンセイの件で出てきたKKRという組織について軽く触れておこう。WikipediaのPEファンドの記事によると、KKRは最古のPEファンドであり、世界的ファンドの例として筆頭で紹介されている。ちなみに、KKRに次いで挙げられているのは、えびセン様にも教えて頂いた、カーライル、ブラックストーンというファンドだ。

 

KKRはPEファンドの他に、不動産、エネルギー、インフラ、ヘッジファンドなどを手掛けている。現時点で世界16か国に展開しているようで、日本ではパイオニアのDJ事業、パナソニックのヘルスケア事業に出資している。

 

KKRは世界的に超一流のファンドみたいだし、そこに目を付けられたカルソニックカンセイが今後どうなっていくのか興味深い。

 

最後に

最後にポイントをまとめておこう。

  • 日産はカルソニックカンセイを売却した金で自動運転やEVに投資する
  • カルソニックカンセイはKKRという世界的ファンドをパートナーにして新時代に挑む
  • PEファンドは投資家から集めた金で企業を買って、売却益を狙う
  • PE投資には投資対象によっていくつか分類がある
  • PEファンドは人を送り込んだり情報を提供して、出資先の経営状態を良くする
  • バリューチェーンに組み込んで収益源とするのが総合商社の事業投資
  • KKRは世界的PEファンド

 

今回は登場する組織がややマニアックな話だったかもしれないが、就活生は見識を広げておいて損はない。実際、筆者の伊藤忠とグラウカスの件を解説した記事を読んだ就活生が、伊藤忠のインターン面接でその話になり、年配社員とバッチリ話が出来て、インターンにも通過したとコメントしてくれたことがある。貪欲に勉強するって重要だ。筆者にとっても今回はいい機会となった。

 

それではこの辺で失礼する。

 

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