読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

就活ブッダのブログ~涅槃を目指して~

就活の本質がわからぬまま迷走して無い内定...そんな就活からの解脱を目指して

MENU

出光と昭和シェル合併を解説+石油元売り業界のまとめ

企業研究 企業研究-石油・プラントエンジニアリング 経済・ビジネス・ニュース等の解説-ニュース解説 経済・ビジネス・ニュース等の解説

【スポンサーリンク】

f:id:job-hunting-buddha:20160816221540p:plain

 

みなさん、こんにちは。

 

ツイッターのタイムラインやブログのアクセス数を見る限り、お盆でも18卒は就活へのアンテナを高くキープしていたようだ。非常に頼もしく、日本の将来も明るいと感じてしまったよ(嘘ですw)。

 

さて、今回は最近ちょくちょくニュースを騒がせている出光と昭和シェルの合併について解説しよう。中東の話やら電力自由化の話も出てくるので、石油元売り業界志望者に限らず、全就活生が知っておいて損はない内容になっているはずだ

 

【今回のトピック】

  • 石油元売り業界の超ザックリした解説
  • 出光と昭和シェルの合併では何をモメてるんだい
  • 石油元売り業界志望者向けのお話

 

石油元売り業界の超ザックリした解説

石油元売り業界って何ぞや。日常生活では聞かない言い方かもしれないが、要するにガソリンスタンドやってる連中だよ。エネゴリ君とか、「ココロも満タンに」とかCMで見たことあるでしょう?あの業界だ。

 

【業界内の順位はこんな感じ】

(2015年度の売上高で比較。括弧内はガソリンスタンドの名前)

  1. JXホールディングス(エネオス):8兆7378億円
  2. 出光興産:3兆5702億円
  3. 東燃ゼネラル(エッソ・モービル・ゼネラル):2兆6278億円
  4. コスモ石油:2兆2443億円
  5. 昭和シェル(Shell):2兆1776億円

 

この5社内で再編が進行中

国内は人口減少で市場が縮小する見込み、おまけにエコカーの普及によってガソリン需要が減ってきている、さらに最近の原油安で採算は悪い。にもかかわらず、供給能力の方が上回っているという無駄な状態なので、経産省が不要な設備を減らすように言ってきた。という訳で合併して、古かったり、効率の良くない製油所をつぶして合理的な経営できるようにしようねというのが石油元売り業界の流れなのだ

 

f:id:job-hunting-buddha:20160816221938j:plain

(図の出典はこちら)

石油元売り、大手5社→3社に統合へ :日本経済新聞

 

JXと東燃ゼネラル、出光と昭和シェルで合併する流れで去年から話が進んでいた。しかし、出光・昭和シェルの合併について、出光の経営陣と創業者一族で揉めだして、雲行きが怪しくなってきた。それが今回のメインのお話。

 

出光と昭和シェルの合併では何をモメてるんだい

創業者一族が合併にノーという理由

本当の理由は知らん。合併に反対してるおじいちゃんに聞いてくれ(笑)。ただ、世間的に言われているのは、①社風が違い過ぎる、②サウジアラビアの影響力が強くなるのが嫌だという2点だ

 

【①社風が違い過ぎる】

後で詳しく書くけど、出光は“大家族主義”と言われる独特の社風だった。かたや昭和シェルは筆頭株主がロイヤル・ダッチ・シェルという外資系っぽい企業なので、いわゆる日系企業の社風とは違うと言われていた。まあ、ガリ勉君とチャラ男でチームを組んでも上手くいかんやろうってことだ(雑)。

 

※石油元売り業界志望者は、社風に関しては自分の足で情報を集めて判断するように。出光だってもう創業者一族が経営を離れてしばらくたってるし、昭和シェルだって、ゴールドマンサックスやマッキンゼーのようないわゆる外資系企業とは違うからね。

 

【②サウジとイランの話】

出光ってのは実は歴史的にイランと関係が深い。一方で、昭和シェルの大株主にはサウジアラビアの国営石油会社が名を連ねている。そして、サウジとイランは仲がめちゃくちゃ悪い。それはもう、たけのこの里派ときのこの山派くらいに。という訳で出光の創業者一族的には、「俺たちイランと深い関係なのに、サウジがバックにおる昭和シェルと一緒になるのはどうなのさ」という話だ

 

もっともこれに関しては、出光の経営陣曰く、「うちの原油の40%はサウジのやつだし、経済制裁食らってたイランの原油なんて1%くらいしかねーよ」という話らしいが。

 

(ここの出典はこちら)

【出光興産お家騒動】出光佐三の「大家族主義」はどこへ行った? 創業家と経営側の対立溝深く…昭和シェル石油との合併の行方は?(1/4ページ) - 産経ニュース

 

まあ、合併になれば創業者一族の出資比率は下がる訳で、影響力弱くなっちゃうから嫌なのかもしれない。だから本当の理由は知らないってば。

 

創業者一族VS経営陣

そもそも、創業家は出光興産の33.92%を保有しているらしい。合併承認は出席者の3分の2以上の賛成が必要なので、これが本当なら「合併」そのものが承認されないことになる。

 

さらに創業者一族側は次なる一手を放ってきた。創業家の出光昭介・名誉会長が昭和シェル株式を40万株(全体の0.1%)取得したと発表したのだ。0.1%とはまたちっぽけな数字だが、これにはちゃんと理由がある。

 

難しい話は飛ばすと、0.1%の株式を取得したことにより、出光はロイヤル・ダッチ・シェルと昭和シェルの株を一対一で取引できるはずが、TOB(株式公開買付け)をしないといけなくなる(と創業者側は主張しているが、本当にそうなるかは微妙)。まあ、経営陣のプランを崩しにかかった訳だ。

 

(ここまでの出典はこちら)

出光興産、昭和シェルとの経営統合で内紛!創業家の反発、業界再編、株価はどうなる?|闇株新聞[2016年]|ザイ・オンライン

 

これに対し、経営陣は8月15日に会見を行い、「創業者一族が文句付けてきた手紙には間違いあるし。あいつら取締役に加えろとか、統合して影響力下がるの嫌って言ってたし」と反論してきた

 

(この部分の出典)

出光興産副社長、創業家が公表した内容に一部齟齬と反論(フジテレビ系(FNN)) - Yahoo!ニュース

 

一風変わった出光の社風

『海賊とよばれた男』という百田尚樹氏の小説を知っているだろうか?この小説は、主人公の国岡鐡造という男が彼の起こした国岡商店を大企業まで成長させる過程を描いているのだが、そのモデルこそが出光興産の創業者である出光佐三である

 

この小説では「馘首はならん!」という主人公のセリフが度々登場するが、これが出光の大家族主義を象徴している。この言葉は要するに「社員をクビにするのはダメ」という意味である。戦後会社の経営がピンチだからリストラしようぜという幹部に対し、「社員は家族なんだから、今が苦しいからって捨てたり出来ねぇだろが」と国岡は言う。この小説では国岡商店は社員を家族のように扱い、絶対にクビにしない。その代わりに「メチャメチャ働いてもらうやで~(ニッコリ)」という社風として描かれている。 

 

就活生にはもう一度言うが、実際のところは社員に会って聞け。くれぐれもネットの情報や小説だけで判断するな。今もどこまでこんな感じなのかは実際に働いている社員に聞く必要がある。

 

ただ、明らかに外資の社風とは正反対だから、創業者が社風の違いを合併反対の理由に挙げている背景はわかるだろう

 

昭和シェルの株主について少しだけ

ロイヤル・ダッチ・シェルが33.24%で筆頭株主、サウジの国営石油会社サウジアラムコが14.96%で続く(第104期有価証券報告書より)。

 

メジャーって聞いたことあるでしょ?(メジャーリーグとか言ってる奴は帰ってね)世界中でビジネスしてるバカでかい会社のことだ。石油業界だと、エクソンモービルとか、BPなんかが有名だね。

 

サウジアラムコってのは世界最大の石油会社で、時価総額は220兆円とも言われる。まさに石油王(笑)。

 

【スポンサーリンク】
 

 

石油元売り業界志望者向けのお話

ここから先は石油元売り業界志望者に向けた発展的内容を書こう。

 

合併は単なる再編以上の効果がある?

興味深い記事を見つけた。単にこのままだと先細りだから合併して何とか生き延びようという消極的な意図ではなく、積極的な攻めの合併だというのだ。内容をかいつまんで話そう。

 

【JXと東燃ゼネラルについて】

原油ってのは色んな成分を含んでおり、そこから化学製品を作ることが出来る。しかし、JXはこれまで国内の製油所が上手く化学プラントと連携できていなかった。東燃ゼネラルと合併すれば、そちらの設備と上手く組み合わせてこれまで以上に効率的な経営が出来るようになる。

 

また、静岡の東燃ゼネラルが製油所を畳んだところに新たに発電所を作れば、電力自由化時代において、非常に競争力のある電力が提供できるようになる。LNGタンカーを近くに持ってくることが出来るし、電力ネットワークの観点からも立地がいい。東燃ゼネラルだけだとこんな大規模な作戦は難しかったが、でかいJXと組めば実現できるって訳だ。

 

【出光と昭和シェルについて】

実は石油元売り会社は再生可能エネルギーもやっている。で、出光は地熱発電と風力発電に強く、昭和シェルは太陽光とバイオ発電に強い。という訳で、両社が合併すれば再生可能エネルギーに超強い会社になるのだ。

 

また、サウジアラムコとのコネクションによって世界で戦う力が付く。まあ、サウジといえば石油業界のドンみたいなやつで、そこから情報もらってアジアに進出して有利に戦えるぜということらしい。

 

(ここの出典はこちら)

【緊急インタビュー】激動のエネルギー業界とM&A(石油業界編・前編) - M&A Online

 

石油業界志望者向け常識クイズ

石油業界を目指すならこのくらいは知っとけよという事をクイズ形式で書いていこう。ただし答えは自分で調べようね。単位が天から降ってくるような大学生活を送ってきた人たちは、少しリハビリしておこう。自分で調べ、考えることが出来ないと内定はもらえないのだ。

 

  1. 可採埋蔵量とは、地球に埋まっている石油の量のことだ
  2. 最近の原油価格がだいたいいくらか知ってるか?
  3. 原油なんて世界のどこ掘っても同じものが出てくる。○か×か?
  4. イスラム教シーア派が主流なのはサウジとイランのどっち?
  5. 天然ガスがクリーンエネルギーと言われるのは何故?
  6. シェールオイル(ガス)とは何か説明して
  7. 電力自由化について説明して(元売り志望者には関係大アリ)

 

とりあえず、パッと思い付いたのはこんなところ。これくらいは石油元売り業界志望者なら全部正解して欲しい(普通の就活生にもわかっていて欲しいが、そこまでは求めないでおこう)。

 

とりあえず1~6が全然わからなかった人は勉強不足なので、この本を読め。元売りに限らず、商社のエネルギー部門に行きたい人やINPEX, JAPEXみたいな資源開発に行きたい人もこの本を読んでおくべき。石油に関する基本的な知識から世界情勢まで適度なレベルで学ぶことができる。

 

あなたへのおすすめ記事

INPEXは超ホワイトで高給?就活生に人気の国際石油開発帝石まとめ 

総合商社のビジネスモデルとは?新・現代総合商社論から解説 

プラントエンジニアリング御三家(日揮・千代田・東洋エンジ)を比較

グローバルで給料が高いプラントエンジニアリング業界って知ってる? 

重工大手(三菱重工・川崎重工・IHI)の違いを比較。就活生よ、やりたいことを見つけろ