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就活ブッダのブログ~涅槃を目指して~

就活の本質がわからぬまま迷走して無い内定...そんな就活からの解脱を目指して

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生保のビジネスモデルは詰んでいる?生命保険の仕組みを解説

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 みなさん、こんにちは。

今回は就活生に人気の生命保険業界について話そう。

と言っても、以前のJALとANAや海運業界の記事のように具体的に会社を比較するのではなく、業界全体で共通の“生命保険の仕組み”を解説する。業界大手企業を比較した記事はこちらからどうぞ。

生保業界大手(かんぽ生命・日本生命・第一生命・明治安田生命・住友生命)の違いを比較

 

今回のトピックはこちら

  • 年収大好き情弱就活生へメッセージ
  • 生命保険の基礎の基礎
  • お先真っ暗の日本の生保
  • 生保を目指す就活生に考えて欲しいこと

 

余談ではあるが、記事を書く前に“生保”というワードに関連して何が検索されているか調査した。すると生保レディ関係の候補が多いこと(笑)。A〇の見過ぎだよ…

 

 年収大好き情弱就活生へメッセージ

皆さん就活生は“年収”が大好きだ。

 

面接官「あなたの企業選びの軸は何ですか?」

就活生「(年収が高いか・激務でないか・モテるかは殿堂入りとして)はい、社会貢献度の高さ、やりがいを持って働けるという点です。」

 

なんて茶番劇が就活恒例行事ではあるが、金持ちになりたければ出費も気にせよ

 

皆さんの所持金というのは言うまでもなく(収入)-(出費)で決まるのだから、年収については事細かに気にする癖に、出費には無頓着なのは愚の骨頂である。

 

そんな出費に対する無頓着さの典型例が生命保険である。毎月給料から少なくない額が生命保険に削られていくのに、その仕組みや保険料が妥当なのかについて大抵の人は考えない。業績に左右されるボーナスへの一喜一憂に脳ミソの全キャパシティを使い、自助努力で改善できる生命保険を考える余力は残っていないのだろうか?

 

就活を通じて社会の仕組みに目を向けるようになった者が人生で勝ち組となる。

 

就活では、誰もがそれまで知らなかった世界の広さに気付くはずだ。そこで如何に内定をとるかという短期的な視点しか持てない奴は、仮に内定を取れたとしても勝ち組にはなれない。社会の仕組みに対して無知であることがどれだけ恐ろしいことか、生涯にわたって勉強することの必要性を身に刻むことが出来た者が勝ち組となる

 

生命保険の基礎の基礎

さて、ここからが本題である。

生保と損保の違い

保険の根本的原理は、予期せぬ事態に備えるために皆でお金を出し合って貯めておき、実際に不運に見舞われた人を助ける相互扶助である。その予期せぬ事態が、①残された家族の所得保障、②ケガや病気での入院・手術の保障、③将来生きていくための貯蓄(生存保障)といった生命に関わることなのが生保である。一方、車で事故った、災害で家を失った等々あらゆる予期せぬ事態に対する保障が損保である。

 

保険の基本的仕組みと生保のビジネスモデル

予期せぬ事態に備えるために皆でお金を出し合って貯めておき、実際に不運に見舞われた人を助けるという保険の仕組みを図にしてみた。実はたったこれだけの小学生にもわかる単純な仕組みでしかない。

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では、生命保険会社はどうやって儲けているのか。先の図に少し変更を加えただけのシンプルな仕組みだ。

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「皆からお金集めて困ってる人に払うで~。ワイは予期せぬ事態が多発すれば損するリスク引き受けてる分の手数料はもらうやで~。運営にかかる経費も集めた保険料から出すで~。あ、こんなに貯まってるお金放置しておくんはもったいないンゴ。運用して増やすやで~。」

 

これまたシンプルな仕組みだ。

 

貯蓄性の保険というのは、実質銀行に預けているのと変わらない。不慮の事態に皆で備えるのではなく、自分が金を生保に預けて、知らぬ間に生保が運用して増やし、手数料を引いた分が満期のときに元本に加えて返ってくる

 

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お先真っ暗の日本の生保

生保の収益源は“死差・利差・費差”のみ

さて、年収ばかり気にするほど金のことが好きな就活生は、上の図と生保の仕組みを見て、生保の収益源が何かすぐわかっただろう。

 

生保の収益源は

  • 死差:思ったほど人が死ななかったので払う保険金が少なくて済んだ
  • 利差:運用で想定以上に儲かった
  • 費差:経費、人件費などを企業努力により減らせた

 

図の金の流れのフローから考えてこれしかない。極めて単純なビジネスモデルであり、収益源もはっきり言って本質的には工夫の余地はない。ついでに言うと、消費者にとって“お得な保険”は存在しない。だって自分が払った分以上にもらえるなんてあり得ないでしょ(損な保険はいっぱいあるが)。

 

根本的原理から考えると、生保会社は、死亡率を低く設定するか、運用を頑張るか、真面目にコストを減らすことでしか勝負出来ない。しかし、死亡率を実際の値より低く設定することは出来ないし、運用も高い利回りを求めて投機に走ることは出来ない。コスト削減の企業努力は大いに頑張るべきなのだが、限界はある。

 

保険の基本的仕組みはシンプルだが、なぜ巷で売っている保険はかくも複雑なのか。それは上記のような正当な手段で他社と差別化することが限界に達したため、保険の本質を隠し、あたかも“お得な保険”であるかのようにサービスを複雑に組み合わせて消費者を煙に巻こうとしているからだ。

 

日本の生保は“逆ザヤ”に苦しめられてきた。バブル中に高い利回りの商品を売りまくっていたが、バブル崩壊後かつてほどの運用成果を出せなくなっても、一度消費者に約束した高い利回りは払い続けなくてはいけないからだ。わからない人向けに例を出すと、100円を110円に増やせる見込みがあるとする。このとき、「100円を105円に増やしてやる」と言って消費者からお金を集めて運用し、差額の5円を儲けとする。ところが、100円が102円にしか増やせない見込みとなった。それでも消費者には約束通り105円を払わないといけないから、3円赤字になる訳だ。この逆ザヤ問題からは最近ようやく抜け出せたが、もちろん消費者が多めに保険料を払ってきたおかげであることは言うまでもない。

 

とまあ、そもそもの仕組みからして工夫の余地が少ない上に、市場の環境も低金利で苦しい。おまけに少子高齢化が進めば保険料を払える人が減るのに、保険金を必要とする人が増えていく訳で、生保業界の先行きは暗い。

 

GNP(義理・人情・プレゼント)で客を釣る

繰り返し述べてきたように保険の仕組みはシンプルであり、儲け方の工夫の余地も限られている。しかも昔は国の規制もあって、各社横並びだった。そこで活躍したのがいわゆる“生保レディ”、保険のおばちゃん達である。要するに、保険の商品はどこも似たようなもんだから、親身に人生の相談に乗ったり、自腹でプレゼント持っていったり、人情に訴える営業で差別化する訳だ。その手法がGNP(義理・人情・プレゼント)である。

 

もちろん、かつてはこのおばちゃん達にも大いに意義はあった。多くの雇用を生み出していたし、日本を世界有数の生保大国にしたのはこのおばちゃん達の営業ネットワークが隅々まで張り巡らされていたからだ。

 

しかし、その人件費は生保会社を苦しめることになり、時代の変化に合わせて生保へのニーズも変化してきた。そこで人件費を大幅に省く、つまり費差で勝負しようというのがネット保険である。店舗や営業員を極力減らし、オンラインで契約できるようにして経費を削減する訳だ。また、規制が緩和され、外資の進出も目立つようになってきた(アヒルのCMのとことか)。

 

最後に、簡単に生保業界各社をまとめておく。

  • 日系大手生保:日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命
  • 損保系:MS&ADグループ(三井住友海上)、東京海上グループ、NKSJグループ(損保ジャパン)
  • 日本郵政:かんぽ生命
  • 異業種・ネット系:ソニー生命、楽天生命、ライフネット生命
  • 外資:アフラック、プルデンシャル、メットライフ、アクサ

 

生保を目指す就活生に考えて欲しいこと

ここまで筆者は生命保険のネガティブな面ばかり述べてきた。しかし、別に保険金不払いとかで生保を恨んでいる訳じゃないし(保険金不払いはかつて大問題になったので、気になる人は調べよ)、生命保険の意義は十分に理解しており、社会に必要なものであると考えている。

 

せっかくここまで読んで頂いた就活生には、もし生保を受けるのなら、「生保業界に革命を起こしてやる」という気概を持って欲しい。生保業界は今変化しなければならない岐路に立っている。生保についてしっかり勉強し、社会のニーズを考え抜いた上で、面接で自らの想いをぶつけることが出来る就活生を生保業界も社会も待ち望んでいるはずだ。

 

就活は無駄だとか、勉強の妨げになるといった批判がある。確かに手書き履歴書のような悪しき風習や、自らの利益のために就活を煽るだけの就活産業のせいで、貴重な時間が“無駄な就活”に奪われている。一方で、自らの気になることをとことん調べ、社会を良くしてやろうと思って自分の進路を決める活動なら、時間の無駄と言えるだろうか?

 

万が一のときの保障と毎月の保険料のバランスを最適化することは、立派な人生設計だ。なんせ生命保険への出費というのは、トータルすると、マイホーム購入に次いで人生で二番目に大きな出費なのである。社会が一層複雑化し、先の見通しが暗い時代だからこそ、“賢い資産運用”、“適切なリスクヘッジ”に対する需要は増えていくだろう。生保志望就活生よ、社会のニーズに応えた保険サービスを考えよ、生保を変えるのはあなただ。

 

もっとしっかり生保の仕組みや、これまでの業界の移り変わりを知りたい方には、この本が絶対おススメ。ライフネット生命の社長が書いた本だ。

 

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