読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

就活ブッダのブログ~涅槃を目指して~

就活の本質がわからぬまま迷走して無い内定...そんな就活からの解脱を目指して

MENU

就活生に大人気のJALとANA。2社の違いを説明できる?

【スポンサーリンク】

f:id:job-hunting-buddha:20160713002103j:plain

 

みなさん、こんにちは。

今回は就活生に大人気かつ、誰もが親しみのあるエアライン2社のビジネスの違いを比較してみよう。JALやANAに興味のある就活生はもちろん、そうでない人でも企業研究のやり方を知るために見て欲しい。

 

企業研究を行うときは必ずライバル企業と比較すること。当たり前のことだが1社だけの動きを見るより、他と比べた方が戦略や業界での立ち位置が相対的によくわかる。今回は日本のエアラインの2トップであるJALとANAの比較を通して、企業研究ではどこの数字に着目するべきなのか、戦略の違いはどこから見えてくるのか、そしてそれらを踏まえた上でどのように就活に役立てればよいのかを学んでほしい。

 

先に要約を述べよう

JALとANAの違い
  • 売上規模、事業内容などはかなり似ている
  • JALは再建中で優遇ありのボーナスステージのため、利益や財務状況の面ではANAをはるかに凌ぐ
  • 両社ともに世界の強豪と比べれば規模もオペレーションのコストもまだまだ劣る
  • ANAは売上、利益を今後大きく拡大する計画。一方でJALはきっちり再建を完遂し、その後も堅実路線を目指す。

 

効果的な企業研究のやり方

内定に近づくための企業研究はこのように行え。

  1. 事前にしっかり業界全体を見て、各社の違いを比較する。
  2. 違いを踏まえてインターンやセミナーに参加し、踏み込んだ質問をせよ。
  3. ①②を基に、自分がより熱い想いを感じる方を選べ。また、それを面接で言えれば内定が近づく。

 

さて、以下からじっくりと本題を述べていく。

 

大前提となるJALの破綻

皆さんもご存じだろうが、JALは2010年に経営破綻している。その後、京セラの稲盛和夫氏の下で経営再建に取り組み、わずか2年で再上場を果たし、現在まで好調が続いている。再生の過程で多額の債務放棄と企業再生支援機構による出資があった。加えて、減価償却費の軽減(意味がよくわからない人は、とりあえず経費が安くなっていると思っておこう)と法人税の減免で利益が大きくなっている。要するに破綻後には国の支援がたっぷり行われ、滅茶苦茶儲かるようになっているということだ。だからANAと比較する際はこの点を忘れていてはフェアな比較とならない。

 

JALの破綻の理由・再建までの道のり

本気でしっかり勉強したい人はこの本を読むといい。少しばかり財務諸表に関する知識が必要となるが、あわせて勉強しておくと他の就活生より一歩賢くなれる(財務諸表に関する記事はこちらから)。就活中くらいは勉強しておこうね…来年就活が終わったらどうせ「遊べるのは今しかない()」とか言って勉強もせずに遊ぶんでしょ?

 

 

ここでは破綻の理由を簡単に説明しておこう。赤字路線を抱えていた、トラブルが多かったなどのずさんな経営姿勢に加え、財政状況が悪いにも関わらず帳簿の付け方で誤魔化してきた長年のツケがあるところに、リーマンショックでとどめを刺されたといったところだ。よくわからなければ傲慢な経営だったと思っておけばよい

 

破綻後は潤沢な資金が国から投入され、稲盛氏の厳しい指導の下で社内の体質もすっかり変わった。公的な資金で一民間企業をこれほど支援するのは不公平だという意見もあったが(特にANAからしたら、たまったもんじゃない)、リストラ及び給料の大幅カット、企業年金の見直しなど、現場では相当な痛みを伴う改革を行ったことは確かだ。また、資金面で優遇する代わりに新規投資や新規路線の開設を国交省が監督するという「8・10ペーパー」による制約も受けている。

 

【スポンサーリンク】
 

 

いよいよ業績の比較

まずは売上高の比較から。売上高は企業のプレゼンスを表すものだが、これに関しては破たん前後でJALとANAの順位は入れ替わっている。つまり、JALは破綻後、無駄に肥大化していた分を削ぎ落としてスリムになったという訳だ。

 

f:id:job-hunting-buddha:20160713002920p:plain

 

純利益を見てみると、経営再建後のJALは凄まじい。これは上述の通り、減価償却費の軽減(要するに経費が安くなっている)と税金の優遇が効いている。ただし、現場のCAまでもが自社の決算に注目するほど末端まで“収益”への意識を高めさせたという努力の成果でもある。

 

f:id:job-hunting-buddha:20160713000751p:plain

 

 ANAの方も近年は好調であり、着実に成長している。本年度の有価証券報告書によると、概ね航空業界が堅調な中、訪日外国人を取り込めた、燃料費が安かったという点が理由に挙げられている。

 

次に、両社の2015年度のセグメント別売上高比率を見てみよう。ANAは航空関連事業、旅行事業、商社事業がそこそこの割合を占めることがわかる。これらは機体の整備や部品の調達、空港での物販など“飛行機を飛ばす”というビジネスに関連した事業だ。皆さんがイメージする(そして入社したい)ANAというのは飛行機を飛ばしている本体のことだが、実はこういったグループ企業をたくさん抱えているのだ。どの大企業もこういったグループ企業を多く抱えている。率直に言うと多くの人は本体への入社を目指すが、そこは高倍率の狭き門なため、結局はその下に広がる無数のグループ企業に進むことになる。

f:id:job-hunting-buddha:20160713003126p:plain

 

次にJALについてだが、セグメントの分け方が異なるため一見ANAより偏っているように見える。しかし、ANAの“旅行事業”、“商社事業”、“その他”の合計は16.1%であるから、JALとそう大差はない。若干国内線の方が多いのも同じだ。ちなみに、以前は国際線はJALの方が強く、ANAは85年まで国内線専業だった。

 

f:id:job-hunting-buddha:20160713003139p:plain

 

週刊東洋経済2015年5月16日号によると、JALとANAは双子のように似ている。企業規模、営業収益、客1人を1キロ飛ばすのに要するコスト、座席利用率といった数字はほぼ同じである。また、アメリカン航空、エミレーツ、エールフランスといった世界の強豪と比較してこれらの水準がまだまだ劣っている。日本では有名だが世界にはもっと上の巨人がいるというパターンは多くの業界にあてはまる。就活生は世界にも目を向け、今後会社がどう歩んでいくべきかまで言えるようになっていると面接で評価されるだろう。

 

週刊東洋経済 2015年5/16号 [雑誌]

週刊東洋経済 2015年5/16号 [雑誌]

 

 

戦略の違い

JALとANA両社の現時点での状況は瓜二つであるが、実は今後の戦略に関しては方向性が正反対である。両社の中期経営計画と社長インタビューから違いを見ていこう。

 

堅実路線を目指すJAL

今年の中期経営計画によると、「2016年度は2012年度からの中期経営計画を達成し、2017年度以降に備える期間」とのことである。まずは社内の体質改革、財務状況の改善(借金を減らしてお金を貯める)をきっちり達成しようという意図が見える。日本を代表する航空会社としてのかつてのブランドと信頼の回復を最優先している訳だ。2016年末で上述の投資を制限する「8・10ペーパー」の期限が切れる。しかし、東洋経済の社長インタビューによると、急拡大を目指すのではなく、あくまで身の丈に合った堅実な経営を目指すそうだ。JALは闇雲に世界へ進出を目指すのではなく、信頼できる高品質なサービスで富裕層を狙う戦略で生き残りを目指すのだろう。

 

拡大路線のANA

一方でANAは野心的な拡大戦略を打ち出している。2020年度に売上2兆1600億(2015年度は1.8兆)、営業利益2000億(同1300億)を掲げている。国際線がその達成のカギを握る。現在航空事業の売り上げに占める割合は4割だが、2025年度には6割弱にまで拡大させ、国内線と比率が逆転する。東洋経済によると、JALが動けない間に、先手必勝の国際線で新規路線を開拓し、シェアを固めてしまおうという狙いだ。国内線は人口減少を訪日客で補ってトントンか微増くらいが限界だろうから、国際線で世界の強豪へ挑戦しようという意図だろう。

 

JALとANAの比較まとめ

  • 売上規模、事業内容などはかなり似ている
  • JALは優遇ありのボーナスステージのため、利益や財務状況の面ではANAをはるかに凌ぐ
  • 両社ともに世界の強豪と比べれば規模もオペレーションのコストもまだまだ劣る
  • ANAは売上、利益を今後大きく拡大する計画。一方でJALはきっちり再建を完遂し、その後も堅実路線を目指す。

 

企業研究で見るべきポイント

企業研究(業界研究)の基本

企業研究を行う際に、必ず最初に見るべきポイントは以下の点だ。

  • 全体の売上と利益
  • セグメント別の売り上げや利益
  • 中期経営計画

 

売上はその企業の市場におけるシェア、存在感を表す。ライバルと比較することで、どっちがどのくらい存在感が大きいのかイメージをつかめ。

 

利益を見る必要があることは誰でもわかるだろうが、実は利益にはいくつか種類がある(営業利益とか経常利益とか)。とりあえず最初は、企業が色々活動した結果の最終的な収支である“純利益”を見よう

 

売上、利益はともに10年くらいのデータを見よ。その間の成長率や、リーマンショック、東日本大震災といった危機的出来事の影響を比較することで、企業間での違いがより一層浮かび上がってくる。

 

セグメント別とは、製品やサービスまたは地域で売上や利益を分けることだ。同じ業種でも実は稼ぎ頭が全く異なる、強い地域が違うためすみ分けがなされているといった比較ができる

 

中期経営計画とは、文字通り5年くらいのスパンで今後ビジネスをどうするかという計画だ。これを見ることで企業が今後歩もうとしている方向性がわかる。JALとANAのように全く異なる方針を打ち出している場合もあるし、ライバル間で似たようなことを言っている場合もある。企業が今後力を入れている方向性がわかれば、どんな人材が求められるのか、どの部門を伸ばしていくのかが予想でき、就活生にとっては自身の進路を決めるのに大いに役立つ

 

さらに詳しい説明はこちらからどうぞ。

就活生向け業界研究・企業研究のやり方【改良版】

 

さらに発展的企業研究を行うには

“なぜ?”、“どのように?”という疑問を常に持って気になることを掘り下げよ。例えば、ANAは国際線を拡張するようだが、どの路線をどういう理由で増やすのだろうか?今の就航路線・便数を比較してみようか。新たにどんな機体を購入するのだろうか?などなど、主体的に問題意識を持てばいくらでも掘り下げることが出来る。説明会に参加しただけで就職活動をした気になるな。自ら目的意識を持って自分の将来のために勉強し、企業や業界について調べて初めて就職活動と言えるのだ。

 

自分の進路を決めるための企業研究とは

ここまでJALとANAの2社の事業状況から今後の戦略まで比較してきた。就活生はそれをどのように自分の進路の決定に役立てるべきなのか。

 

最終的には、より働きたいと思う方を選べ

ここまで散々ビジネスの話をしておきながら、結局は個人の好みなのかい(笑)。そうだ。事業内容が全てではない。というのも、仕事ではビジネスのことだけを淡々とやる訳じゃないからだ。社風が合わず、人との付き合いでストレスを感じる続けるサラリーマン生活を送りたいだろうか?しっかり社員や説明会に来る学生の雰囲気を感じ取り、比較することで自分がどっちなら気持ちよく過ごせそうか考えよ。

 

会社の歴史、戦略の違いを踏まえた上で社風を比較せよ

一度つぶれたJAL、今後世界に打って出ようとするANA。両社で社員の雰囲気が違うことは想像に難くない。ということは求められる人物像も異なる。事前知識なしでフラフラとインターンやセミナーに行くな。会社の歴史と今後の戦略の違いを予習してから行くことで、両社の違いがより一層浮かび上がってくるだろう。そういった事前知識があれば自ずと深い質問を社員にぶつけることが出来る。「御社の社風ってどんな感じですかぁ~?」なんていい加減でアホ丸出しな質問をするな。「経営破綻後、現場で感じた最も大きな変化は何か?」、「経営再建中から今まで続いているよい習慣はあるか?」、「大胆な成長戦略を掲げているが、現場にもその意識は浸透しているか?」など、いくらでも踏み込んだ質問が出てくるはずだ。

 

結局、面接では個人の熱い想いが重要

来年の面接では、「なぜANA(JAL)ではなくうちなんですか?」とほぼ確実に聞かれるだろう。その時に両社の戦略の違いを理由にするのも悪くはないが、それだけではパンチに欠ける。とにかく企業からしたらうちで長い間しっかりと働いてくれるかという点が大事なのだ。ANAの拡大戦略も、もし昨今のイスラム国による世界各地でのテロが激化したら、航空市場が冷え込んで撤回せざるを得なくなるかもしれない。企業はそうなった場合でも、この会社が好きという熱い思いで働き続けてくれる人を求めている

 

まとめ

まとめると、内定に近づくための企業研究はこのように行え。

  1. 事前にしっかり業界全体を見て、各社の違いを比較する。
  2. 違いを踏まえてインターンやセミナーに参加し、踏み込んだ質問をせよ。
  3. ①②を基に、自分がより熱い想いを感じる方を選べ。また、それを面接で言えれば内定が近づく。

 

あなたへのおすすめ記事

君の学歴、顔、頭じゃ三菱商事は絶対ムリです。就活産業の問題とは【閲覧注意】

「OB訪問ってした方がいいの?」とかいう愚問をしてる就活生って…【社風の違いはOB訪問で聞け】

JR東日本・東海・西日本の違いを比較(売上・利益構造・年収など詳しく解説)

JTBとHISの違いを比較。他の就活生に差をつけるポイントとは

総合デベロッパー大手5社の違いを比較(三井不動産・三菱地所・住友不動産・東急不動産・野村不動産)

5大商社の違いや強みをクイズ形式で比較(三菱商事・三井物産・住友商事・伊藤忠商事・丸紅)

就活生に大人気のメガバンク業界研究(MUFG・SMFG・MHFG/三菱東京UFJ・三井住友・みずほ)

記事一覧